出版社内容情報
ベストセラー作家の死から、「物語」は始まる――出版業界を舞台に「創作者」最大の倫理をも問う問題作!
内容説明
「私は嘘つきだ。そして人殺しだ。」ベストセラー作家・岩佐友が死去した。彼は生前、周囲に「すごい原稿がある」と漏らしていた。ほとんど業界づき合いをしなかった岩佐が、唯一交友を持っていた作家の古谷悠と担当編集者の仲本美知は、それを「未発表原稿」と推測し、原稿捜索に乗り出す。しかしその先に待ち構えていたものは、出版業界を揺るがしかねない「パンドラの箱」だった…。出版業界を舞台に、「創作者」最大の倫理を問う問題作。
著者等紹介
堂場瞬一[ドウバシュンイチ]
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で小説すばる新人賞を受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルを執筆。2021年、作家デビュー二〇周年を迎えた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
246
先輩ベストセラー作家の死を切っ掛けに、残された原稿を探すことになった小説家。調べていく先に、衝撃の秘密にぶち当たる。作家と編集者の関係や、小説家のぶっちゃけ本音が書かれた、斬新な作品です。愛読家は興味深く読むことができます。さらに、小説の中の小説として、堂場作の私小説っぽい短編を読むことができるのもファンには嬉しいです。読んでいく先に、堂場さんの引き出しの多さに感嘆します。2022/03/17
starbro
235
堂場 瞬一は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 タイトルと表紙からイメージしていた内容と異なりましたが、ノンシリーズの作家ミステリ、読み応えがありました。東京ディズニーランドのホーンテッドマンションには、999人のゴーストライターの幽霊が棲んでいます(怖) https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309030241/2022/05/17
ゆみねこ
90
ベストセラー作家・岩佐友の死。殆ど業界付き合いのない作家と唯一交流のあった古谷悠は、生前岩佐が漏らしていた「すごい原稿がある」と言う言葉を【未発表原稿】と推測し、原稿探索を始める。純文学で受賞して作家デビューした岩佐は2作目以降エンタメ路線に転換し人気作家になった。やがて見つかった原稿は、とんでもない事実を明らかにする。尊敬する先輩作家の評伝で自らの壁を破ろうと画策していた古谷と編集者の美知。人として許されないことはダメだよね…。久美子さんが哀れ。重い読後感。2022/08/28
雅
81
ベストセラー作家の未発表作を探す事が小説とはなにかを考えさせられる。重厚な作品。2022/10/04
背古巣
58
"0(ゼロ)"。また、凄い題名ですね。冒頭から「面白い!これは徹夜で読んじゃうかも…。」っと思いましたが、そこまではなりませんでした。中盤から、主人公達の目指すものが微妙に変わってきたように感じられ、物語が向かう方向が悲しいものになってきて、読むスピードが落ちました。例え小説でも、人が不幸になることは、辛いことです。特に終盤の"屈曲の海"…。面白かったですが、悲しいお話しでした。2022/04/23