出版社内容情報
超能力の成績向上のため日々鍛錬に励む私。「文藝」2021年秋季号掲載直後から話題沸騰の芥川賞受賞第一作にして初長篇。
内容説明
勝てば天国、負ければ地獄の規律と欲望が渦巻く学校―。私の幸せは、正しいのか?人間の倫理を問う、芥川賞受賞第一作。
著者等紹介
遠野遥[トオノハルカ]
1991年神奈川県生まれ。2019年、『改良』で第56回文藝賞を受賞しデビュー。2020年、『破局』で第163回芥川龍之介賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
238
遠野 遙、3作目です。本書は、著者版シリアスな令和の破廉恥学園でした。中高生の男子は、オ●ガズム3回でも楽勝ですが、中高生の女子と50代のおじさんは辛いです。 https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309030142/ 【読メエロ部】2022/03/02
いっち
128
小説はなんでもありだと思った。主人公は、全寮制の学校の学生。 学校では、一日三回以上オーガズムに達すると成績が上がりやすいとされ、学校側から生徒にポルノ・ビデオが供給される。どんな学校だよと思う。以前、冒頭のAVのインタビュー場面で、読むのをやめたが、『破局』を読めたので再度本作にチャレンジしたら、最後まで読めた。性的描写の多様で敬遠していたが、性描写はパッケージに過ぎなかった。本質は違う。何が本質かというと、面白ければいい。最後まで一気に読ませる文章力があれば、テーマや主張などどうでもいいのだと思った。2023/04/22
美紀ちゃん
106
冒頭と最後が同じ文章で、すごい。 DVDのインタビュー内容? 芥川賞作家の言おうとしていることを汲み取るのは難しい。 何を学んでこれからどうなりたいのか? たぶん、透視?超能力的なことを鍛えているようだが。 テストを受けて何になるのか? 何の意味があってやっているのか? そのための努力がすごい。 食事や運動などルールを守ろうとする努力を強制されているように感じる。 睡眠部の未来の話はわからなかった。 主人公は狂っているように感じる。 真夏の方が、考え方がまとも。かわいそう。 教育とは狂気の世界なのかも。2022/01/23
ユースケ
93
伸るか反るか、野球でいうと、バッドを長く持ってフルスイングするような内容で、予定調和のほっこりストーリーにあまり興味がない自分としては、最後まで面白く読めた。 テイストとしては村上春樹が大好きな中学生が書いたようなものであるが、随所に盛り込まれた意味不明なエピソードもちゃんと面白く、なんだかよくわからないが、次回作もよんでみようかという気分になっている。 これまたよくわからないが、もし映画化するなら、今は亡きスタンリーキューブリックあたりに撮って欲しい。2023/02/09
ガチャ
90
閉鎖された空間で過ごす生徒たち。 そこには厳粛的なルールがあり、それを破ると処罰の対象となってしまう。 テストの結果次第で誰かの言うことを聞かなきゃいけなかったり、言うことを聞かせられるようになったりと。 生徒たちは成績があがることを常に考え行動しているが、その方法が何ともぶっとんでいて、 そんなやり方で成績が上がるのか。 これは洗脳? 私にはちっともわからなかった。2022/03/27