- ホーム
- > 和書
- > 人文
- > 文化・民俗
- > 文化・民俗事情(日本)
出版社内容情報
遊びの釣りが始まった江戸時代の各地に残る水辺の怪談や、町の人々が興じる姿、将軍の釣り記録まで。江戸文化としての釣りを楽しむ。
内容説明
人々が釣りの面白さに目覚めた江戸時代。旗本夫人も町の隠居も、将軍も地方武士も…。古日記の釣果、入門書の道具、浮世絵の風俗、怪異譚から、水辺に咲いた釣り文化の魅力に迫る。
目次
第1章 怪談
第2章 武士の釣り
第3章 まちの人々、女性の釣り
第4章 道具あれこれ
第5章 江戸のさかな
第6章 幕末の釣り
著者等紹介
長辻象平[ナガツジショウヘイ]
1948年、鹿児島県出身。科学ジャーナリスト、産経新聞論説委員。京都大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サケ太
18
非常に興味深い。江戸時代の釣りエピソードや釣り事情が説明されている。個人的には、『鮫釣り』のエピソードが面白かった。雇われた釣り人たちに、長老の助言。なかなかに映画的な話で楽しい。工夫のこらされた日本の釣具。釣りが江戸時代に広まった理由。読みごたえのある話が多くて満足。2022/05/24
ようはん
17
以前に読んだ同じ著者による「江戸の釣り」と内容が被る所があるけど、刀の鞘の紋様に釣りの場面が描かれた物があったり多種多様な釣具が開発されたりと老若男女・将軍から庶民まで江戸時代の人々は釣り好きだったんだなというのが分かる。2022/04/07
wasabi
13
父が若い頃は釣りを趣味とし、休日は、いや休暇を取っては磯釣りに出かけていた。職業としての漁ではなく、趣味としての釣りの歴史は日が浅く、江戸期以降の文化だという。今と違って竿、糸、錘、針などの釣り道具は貴重だから、誰でもおいそれとは揃えられぬ。安泰の世の江戸中期は、まず暇を持て余す武士が熱中したようだ。上級武家では女性にも盛んだったとか。幕末の動乱期においてさえ大公望は竿を離し難し。慶喜なんぞ新政府に権力を譲渡するや駿府で釣り三昧とはいかがなものか。それにしても、江戸の職人が作る釣り道具の精緻さはさすがだ。2022/06/26
スプリント
7
怪談の章が面白かった。 歌川国芳の浮世絵の謎も気になる。2022/01/21
つくし
3
装画にもあるとおり、絵画にも多くの釣り文化の姿が残されている江戸時代。最初の章こそ怪談として言い伝えに残るひと場面としての釣りだけれど、しっかりと釣果の記録をつけている武士や、なにが釣れたとか餌がなんだとか、釣具まで事細かに文献が残っていることが面白いと思いました。とってもポピュラーなレジャーだったことが伺い知れる。2022/01/23