出版社内容情報
「浅いんだよ。価値観が違うから仕方ないなんて」16歳の誕生日の夜、真柴翔はクラスの女子・モルヒネに会う。第57回文藝賞優秀作
内容説明
生きる速度そのままに言葉をぶつけ合う高校生3人の物語。第57回文藝賞優秀作。
著者等紹介
新胡桃[アラタクルミ]
2003年、大阪府生まれ。現在高校二年生。2020年、第五七回文藝賞優秀作を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みかん🍊
94
文藝賞優秀作で高校2年生の作品、今時のリアルな高校生なのだろう、ネタキャラで周りを笑わす人気者女子高生、運動部で友人も多くリア充男子高校生、可愛くてモテる女子高生、同じクラスに居て仲良くして、好意も持っているが理解してそうで違う顔を持ち、深くは踏み込まない、価値観が違うだと分かると、違う世界の人間と切り捨てる、ほんとの姿は目に見えない。2021/01/04
いっち
52
現役女子高生が書いた作品。若い作家にありがちな、「学生の話」「家族の話」「言いたいことを台詞で感情的に言う」は、この作品にも共通。現役女子高生だから書ける作品なのかもしれないし、現役女子高生だから受賞できたのかもしれない。読みやすかった。登場人物が感情を爆発させて長ゼリフを放つところに、読者の私は冷めてしまった。登場人物が感情を爆発させるのが悪いわけではないが、読者がそれに乗れていないと「なに急に熱くなってるの?」と思ってしまう。長ゼリフを受けた登場人物がそう返答してくれればいいのだが、そんなこともない。2021/04/19
Kanako
36
あっという間に読ませる勢いのある文章。思ったことを有無を言わさず突きつけてくる感じがあって気圧されるんだけども、するする出てくる言葉の表現が本当に巧みで、圧倒的な語彙力を感じさせる文章。ストーリーそのものよりは、その勢いある言葉を楽しんだ。2021/05/22
rosetta
25
57回文藝賞、作者は高二。時々比喩とかに振り切った表現が使われていて、個性なのか日本語をあまり知らないのか今作だけでは判断出来ないけど、不良でもガキでも背伸びでもなく基本的に等身大に真面目。登場する三人の高校生。サッカー少年の真柴翔、翔が片思いする早見麻優、オモロ系女子を演じるモルヒネ。麻優に告られた翔だが麻優には秘密が。作者が一番思い入れて書いているのはモルヒネか。大好きだった父親が海外で行方不明になり理解者だった姉は壊れてしまった。人はバラバラの星から集められ価値観が違うのが前提だと父親の教え。2021/04/22
ちょこよこ
22
文藝賞優秀作。やっぱり文藝賞っぽい。高校生の著者だからこそリアルに描けるものなのかもしれませんが、読んでる間高2ですごい〜とずっと思ってました。マユとモルヒネが会話する場面の雰囲気は只者ではない感。才能があるって羨ましい。2020/12/25