出版社内容情報
「オーパ!」の旅にも同行した担当編集の著者は、その後、開高の本棚整理に当たる。そこから見えてきた、開高流本の読み方使い方。
内容説明
開高健記念会の理事も務める著者が、蔵書整理からのぞいた世界。詳細リスト付き。
目次
第0.5章 この森の歩き方
第1章 はじまりのベルリン
第2章 『オーパ!』のほとり
第3章 かわうそとサケと宝石
第4章 うしろ姿と草原
第5章 めまいのする冒険
付録
著者等紹介
菊池治男[キクチハルオ]
1949年、東京生まれ。早稲田大学文学部卒。1974年、集英社入社。「週刊プレイボーイ」編集部を経て、「PLAYBOY日本版」創刊に参加、開高健の担当となる。開高の1977年の『オーパ!』で六十五日間のブラジル・アマゾン取材に同行、以降、アラスカ、カリフォルニア、カナダ、コスタリカ、スリランカ、モンゴルなどの取材旅行で編集担当を務める。開高との旅は延べ三百数十日に及ぶ。新書、学芸編集部などを経て2010年退社。開高健記念会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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蘭奢待
34
開高健の蔵書にまつわる論評を期待したがそうではなく、何冊かの蔵書にある折ったページからその意味を類推する。著者は元プレイボーイ編集者。開高健と南米やアラスカの旅を共にした人物。旅の様子こそ興味深いが、それ以外は開高健の著作や、折ったページからの引用がほとんど。少し期待はずれだったかな。2021/07/18
DEE
17
故開高健とオーパの旅を共にした著者。 開高健の本棚に遺された本から、開高が何を読み、吸収し、どう表現に繋げていったかを読み解く。 買った本のカバーはすぐに取って丸めて捨ててしまったという開高健。書き込みなどもしなかったという彼は、ページに折り目を付けることはしていたのだとか。それも時には何ページも一緒にして。 それを手掛かりに考察を重ねていくのだけど、その思考の寄り添い方というか深さは、開高に対する愛情と尊敬に違いない。 開高健は本当にデカかったんだな。 これは記念館に行かなくては。2021/02/20
Mirror
16
定かでなく中?高?の時に見た鮮烈なる旅番組で彼を知り、その生き方に憧れ夢をみた事を思い出した。今もう一度読み返したらまた気づきは変わるだろうな!2021/02/23
古本虫がさまよう
4
開高健さんは、本を読む時、カバーも帯も外して「裸本」にして読んだそうな。 冒頭からこんな文で、この本は始まる。 --開高健は蔵書家ではなかった。どころか愛書家でもなかった。これぞと思った本は読む前にカバーをはぎとり、オビごと捨ててしまう。 傍線を引いたり書き込みをしたりすることはないが、ところどころページを折り込むくせがあった‥‥。 そんな残された蔵書をひもときながらの本。面白かった。著者は集英社出身の編集者。取材旅行で侵食を共にしたこともあり、その回想シーンも読みごたえがあった。2021/01/22