出版社内容情報
2019年木村伊兵衛写真賞候補、現代アートの俊英ミヤギフトシ初の小説集がついに刊行! 瑞々しくもせつない青春小説3部作。
内容説明
僕をあなたの部屋に連れていってほしい。そして、あなたと僕、ふたりの写真を撮らせてほしい。まるで、僕たちふたりが恋人同士であるかのような―イメージがつなぎとめる記憶、ポップカルチャーの引用、海の向こうに見た風景…気鋭の現代美術作家が描く、まったく新しい“青春小説”。
著者等紹介
ミヤギフトシ[ミヤギフトシ]
1981年、沖縄県生まれ。2005年、ニューヨーク市立大学卒業。現代美術作家。2012年にスタートしたプロジェクト「American Boyfriend」では、自身の記憶や体験に向き合いながら、国籍や人種、アイデンティティといった主題について、映像、オブジェ、写真など、多様な形態で作品を発表。『ディスタント』がはじめての小説作品となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
南雲吾朗
63
沖縄出身のクリエーター。ある主題のコンセプトの一つとして、この作品は捉えてよいのだろうか?ミヤギ氏の初小説。同性愛については未だに理解できないが性別を問わず居心地のいい人間と居る感覚は何となく理解できる。この小説で私が一番感じたのは距離感である。同性間の恋愛は異性間と違い微妙な距離感がある。磁石に例えるなら同極同士(N極とN極)が魅かれ合うのだから当然そういう距離感は生じるのだろう(あまり近付くと弾かれてしまう)。さすがにクリエーターだけあって風景の捉え方色合いの描き方が絶妙である。他の作品も観てみたい。2019/05/06
ヨシ
10
現代美術家の初小説。独特の文体と乾いたゲイの恋愛風景。人との距離感。読みにくく、理解しずらかった。さすが、現代美術家!2021/03/14
らびぞう
9
「アメリカの風景」、「暗闇を見る」、「ストレンジャー」の三部作。沖縄那覇に住んだことがあるJ、高校の時のクリス(薬くん)との出会い、そうして、二人の密な時間。現在と青い学生時代が交錯する、思い出話として。読んでいると、今、この話は、いつの時の話なんだろう、と注意をしながら読まないと分からなくなる。懐かしいカルチャー、任天堂、ファイナルファンタジー、80年代の映画や音楽。そうして、LOMOが合間に出現する。日本でいても、アメリカでいても、どこにいても、ストレンジャーであるJ。2022/03/31
ちや
8
非常に読みにくかったけど悪くない本2021/10/20
the_yoshiya
2
一気読みしてしまった。起承転結の起承のみが延々と繰り返されるそんな不思議な文章。あの頃の思いがいろいろ刺激されて自分の若い頃を思い出したり。良い本に出会えた。2019/09/01