とても短い長い歳月―THE PORTABLE FURUKAWA

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  • サイズ B6判/ページ数 520p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309027494
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

DJが過去作をミックス、縦横無尽に繋げられた28作品が巨大な1作を作り上げる前代未聞の文学的企み! 著者の最高のガイドブック破格のスケールの作品群を発表しながら、現代文学で唯一無二の地平を切り拓いてきた作家・古川日出男の過去作品を
ニッポンのヒップホップ=ニップノップを生み出したDJが編纂(ミックス)。

『聖家族』等のメガノベルからの抜粋と、『アラビアの夜の種族』幻のスピンオフや『ベルカ、吠えないのか?』のプロトタイプ等の貴重原稿、震災や三十年後の未来を描いた短篇群が、如何にしてひとつのサウンドスケープを織りなすのか――驚きの読書体験となる1冊です。
著者の最高のガイドブックにして極厚の入門書ともなる古川日出男版『ポータブル・フォークナー』=『ポータブル・フルカワ』誕生。

【巻末特別収録】
解説=柴田元幸「古川日出男のヨクナパトーファ」
作者本人とDJによる全作品コメンタリー

再編集・三田村真プロフィール
=DJ産土(うぶすな)。1986年北海道生まれ。ニップノップ・グループ「最新"」メンバー(トラックメーカー)。代表曲に『アンダーサウンド(ウィー・アンダースタンド)』など。

【解説「古川日出男のヨクナパトーファ」柴田元幸(米文学者・翻訳家)より】

『ポータブル・フォークナー』という本がある。一九四六年、アメリカのヴァイキング社の「ポータブル・ライブラリー」シリーズの一冊として刊行された。ウィリアム・フォークナーの大半の作品は、ミシシッピ州ヨクナパトーファ郡という架空の土地を舞台とし、同じ人物がくり返し登場する。乱暴に言えばフォークナーは、一冊の長い長い本をほぼ生涯書いていたと言っていい。が、しばしばおそろしく錯綜した語り口ゆえに、その大きな一冊のなかにあって、いつ、どこで、何が起きたのか、把握するのは容易でない。ましてやそれらを俯瞰し、時間軸に沿って整理するのは至難の業である。『ポータブル・フォークナー』の編者マルカム・カウリーは、その至難の業を自らに課し、この長篇からここを、こっちの中篇からそこを、この短篇はまるごと、というふうに?いでいって、「この一冊を読めばヨクナパトーファの歴史がひとまず時系列順にわかる」と言える本を作ったのである。ある意味ではフォークナー文学の本質を裏切る暴挙とも思えるプロジェクトだが、この一冊の刊行によって、「過去に難解な作品を何冊か書いた人」としか顧みられなくなっていた作家フォークナーが、多くの読者によって再発見、もしくは初発見されたのだった。
 しばらく前に、著者本人からこの『短く長い歳月(としつき)』の構想を聞き、いままで書いた全作品のリミックス本を出すつもりだと知らされて、「では、古川さんもいよいよ『ポータブル・フルカワ』を作るわけですね」と自分が言ったことを覚えている。「いよいよ」と本当に言ったかどうか確信はないが、気持ちとしては間違いなく「いよいよ」だった。つまり、前々から「『ポータブル・フルカワ』が作られるべきだ」とはっきり言語化して考えていたわけではないけれど、こういう本が古川日出男作品について作られると聞いた瞬間、それがとても自然に、相応しいことに感じられたのである。直感的に。(後略)

【目次 Songs】
Introduction とても短い………プロローグ
神楽坂のレバノン………『サウンドトラック』より 
「鳥の王」日誌
獰猛な舌II………『沈黙』より
サイプレス………『アラビアの夜の種族』スピンオフ
アット・ザット・カウンター・オブ・ザ・バー………『アビシニアン』より
低い世界
野生夏桐………桐野夏生トリビュート
川、川、川、草書で………吉増剛造トリビュート
ハル、ハル、ハル
静かな歌
響一と犬の少年………『13』より
アリューシャン最西端………『ベルカ、吠えないのか?』プロトタイプ
Meat and Beat………『ボディ・アンド・ソウル』より
アンケート
列島、ノラネコ刺すノライヌ
シュガー前夜
ブルー/ブルース
ショッパーズあるいはホッパーズあるいはきみのレプリカ
ミルク、それから慈雨、それから僕たちの石………『MUSIC』プロトタイプ
美食
この鳥居は………『聖家族』より
ある記録(「島」および森の誕生)………『あるいは修羅の十億年』より
つわものどもが
どうやったらプールでうなぎを養殖できるか?
プーラ
阿弥陀は幾何級数的に増えます………『南無ロックンロール二十一部経』より
Outroduction 長い歳月………エピローグ/『ミライミライ』より  

 本書の編纂(ミックス)担当者・三田村真氏について(古川日出男)
 解説 古川日出男のヨクナパトーファ 柴田元幸
 著者とDJによるコメンタリー

古川 日出男[フルカワ ヒデオ]
著・文・その他

内容説明

縦横無尽に繋げられた28の作品が巨大な1作を作り上げる前代未聞の文学的企み。

著者等紹介

古川日出男[フルカワヒデオ]
1966年7月11日、福島県郡山市生まれ。小説家、劇作家、朗読者、その他。演劇活動を経た後、1998年に『13』で小説家デビュー。2005年より朗読活動をスタート。2014年より劇作を再開する。文学賞受賞作には『アラビアの夜の種族』(日本推理作家協会賞、日本SF大賞)、『LOVE』(三島由紀夫賞)、『女たち三百人の裏切りの書』(野間文芸新人賞、読売文学賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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さっとる◎

41
そうか、そうだねこの手があった。日出男のいいとこどりな1冊なんて多分私でも誰でも作れる(そこには確実に好みが反映されるにしても)。これは日出男作にして日出男作にあらず。DJ産土の作品だ。素材は大きな、小さな、表に出ること叶わなかった、たくさんの全ての日出男作品。どこを取り出す?どれとどれを繋げる?これは丸々ドロップするのか?すでに作家の手を離れ完成してなお余白を残す作品群に新しい命を宿す、DJのプロ仕事。緩急のスピード、リズム、ブルースにロック、通底するむかしとみらい、いま、いま。世界が広がる、そこから。2018/11/30

ぐうぐう

32
一人の小説家がこれまで書いた28もの単独の作品の、一部(ときには全文)を抜粋し、縦横無尽に繋ぎ合わせ、一本の長編へと変貌させる。驚くべき試みだが、古川日出男であれば、さもありなん、と思わせられる。編纂を担当するのは、DJ産土こと三田村真(『ミライミライ』の登場人物)という徹底ぶり、いや、遊び心か。ひとつの作品を生むことで、次作に影響を与え、連鎖していくことを考えれば、独立した作品がひと続きになるのはそれほど不思議なことではないかもしれないが、本書は発表順に繋がれているわけではない。(つづく)2018/11/19

Akito Yoshiue

11
素晴らしいとしか言えない。この言葉の強さは何なのか。2019/01/14

ユウスケ

6
私はクラブイベントにも行くし、友人のDJが作ったミックスを聴くこともありますが、この本はまさにその感覚。全部読むと伏線がつながると言うのはないですが、ミックスを聴くときのように、次の曲が始まってその曲の感覚を、前の曲の感覚が残ったまま味わう、それが心地よく、文学で達成したと感じられます。以前から古川作品は文体のリズムの良さが特色と言われていて、確かに心地いいのですが、その心地よさの源とは何なのか、理屈っぽくても追及してみたい。2019/09/11

なつのおすすめあにめ

4
ハジメテの古川日出男。たぶん、セイカイ。2019/10/04

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