強盗殺人実話―戦前の凶悪犯罪事件簿

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  • サイズ B6判/ページ数 235p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309026992
  • NDC分類 368.6
  • Cコード C0036

出版社内容情報

戦前を代表する探偵小説作家による、知られざる戦前の強盗殺人実話集。鈴弁殺し、大井堀事件、女優一家怪死、ピス健事件など全十話。

甲賀 三郎[コウガ サブロウ]
著・文・その他

内容説明

事件と人間の本性を本格派推理作家が追う。小名木川首無死体、二本榎惨劇、小石川七人斬り、鈴弁殺し…。「本格の雄」甲賀三郎の隠れた名作復刊!

目次

お茶の水おこの殺し
二本榎惨劇
小名木川首無死体
お艶殺し
小石川七人斬り
鈴弁殺し
名古屋駅行李詰め屍体
大井堀事件―疑問の十月二日
女優一家の怪死
ピス健

著者等紹介

甲賀三郎[コウガサブロウ]
1893年、滋賀県生まれ。本名・春田能為。探偵小説家。東京帝国大学工学部応用化学科卒業後、染料会社を経て農商務省臨時窒素研究所に勤める。後にライバルとなる“変格の雄”大下宇陀児は研究所の後輩。1923年、「真珠塔の秘密」で『新趣味』にデビュー、同年『新青年』に「カナリヤの秘密」を発表し、同誌を代表する作家となる。31年、“本格派の雄”として大下と本格対変格の論争を、また36年には木々高太郎と探偵小説芸術論争を展開した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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keroppi

63
河出書房「レトロ図書館」シリーズの一冊。甲賀三郎は、大正、昭和と活躍した探偵小説家。明治、大正に実際に起こった殺人事件を綴る作品集。この当時、こういう風に、実際の事件を作家が書くということが、よくあったようだ。今で言うテレビのワイドショーみたいなものかもしれない。探偵小説家ならではの、事件の発端、捜査の経緯、関係者の描写は、読み応えがある。捜査の雑さや冤罪もあったようだ。作家としても、事実を知ることで、自分の創作にも活かせたのだろう。ただ、これが事実と考えると、読んでいて、あまりいい気はしない。2018/10/15

HANA

61
小名木川で上がった首無死体、七人殺し、トランクに詰められた胴体、行李に入った死体…。探偵作家が描く明治から戦前に起きた様々な事件のルポタージュである。「鈴弁殺し」「ピス健」以外は初めて目にする事件ばかりであるが、何となく野卑というか即物的な事件が多い印象を受ける。一方で警察の取り調べのために発狂したという記述もあり、当時の社会の苛烈さが伺えるなあ。探偵作家が書いたとはいえ前述のとおりルポなので、探偵小説が持つ浪漫性は皆無。ただ著者の淡々とした記述と相まって、各事件が不気味な光芒を放っているようにも思えた。2019/12/03

よしじ乃輔

5
探偵小説家による明治〜昭和の犯罪譚。科学と捜査の技術がいまより覚束ない当時、強引な捜査や不備が多かったことも伺え貴重な印象。“人のうちに深く潜む「何かしら悪なもの」に触れ、人生に興味を持つことである“と記した著者の気持ち、とても共感します。そこに投影された何かを見る気がしています。 2023/02/12

みき

3
こうゆう古臭い実録犯罪モノは大好きなんですね。ちょっと読みなれない文体と単語が多いけど雰囲気で。しかし昔の人は罪悪感が強い。2020/01/24

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