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出版社内容情報
おとなの愉しみを伝えるアンソロジー「ごきげん文藝」第一弾は、「温泉」をテーマにしたエッセイ32篇を収録。じんわり温まるよ。
内容説明
は~、極楽、極楽。みんな温泉につかって名作が生まれた32篇の温泉エッセイ。
目次
湯のつかり方(池内紀)
カムイワッカ湯の滝―落下する滝、流れる川すべてが純ナマの温泉(嵐山光三郎)
ぬる川の宿(吉川英治)
湯船のなかの布袋さん(四谷シモン)
花巻温泉(高村光太郎)
記憶9800円×2(角田光代)
川の温泉(柳美里)
美しき旅について(室生犀星)
草津温泉(横尾忠則)
伊香保のろ天風呂(山下清)
上諏訪・飯田(川本三郎)
村の温泉(平林たい子)
渋温泉の秋(小川未明)
増富温泉場(井伏鱒二)
美少女(太宰治)
浅草観音温泉(武田百合子)
温泉雑記(抄)(岡本綺堂)
硫黄泉(斎藤茂太)
丹沢の鉱泉(つげ義春)
熱海秘湯群漫遊記(種村季弘)
湯ヶ島温泉(川端康成)
温浴(坂口安吾)
温泉(北杜夫)
母と(松本英子)
濃き闇の空間に湧く「再生の湯」和歌山県・湯の峯温泉(荒俣宏)
春の温泉(岡本かの子)
ふるさと城崎温泉(植村直己)
奥津温泉雪見酒(田村隆一)
別府の地獄めぐり(田辺聖子)
温泉だらけ(村上春樹)
温泉で泳いだ話(池波正太郎)
女の温泉(田山花袋)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
141
好きな作家が多く含まれているので、読みました。激寒の今の季節に最適な湯情をそそる温泉エッセイ・小説・漫画アンソロジーです。オススメは角田光代の『記憶-9800円×2-』、太宰治の『美少女』、田山花袋の『女の温泉』の3本です♪未体験の方は、是非、露天風呂付き客室(出来れば離れ)を恋人or新婚の配偶者or愛人とお試し下さい!エロ満載で最高に欲情(浴場?)します。私はもう大分遠ざかっていますが・・・2018/01/26
九月猫
59
「おいしい文藝」に続く新シリーズ「ごきげん文藝」第一弾。テーマが温泉のせいか、文豪と呼ばれる作家さんたちの作品の収録が既刊より多い、かな。その中にあって、印象に強く残るのは角田光代さんと漫画の松本英子さんの作品。どちらも母娘ふたり旅を描いていて、“おかん”って どこのおかんもこんななのかー!?と共感しつつ笑いつつ、私はこんな親孝行は出来ないなぁと凹みつつ。岡本綺堂の「温泉雑記」は抄録で綺堂らしい怪談話なのだけど、割愛された前半部分の方がこのアンソロジーには合っている気がして惜しい。2018/04/21
あじ
54
定評のある食のアンソロジー「おいしい文藝」シリーズから、新しい路線として「ごきげん文藝」が誕生しました。長湯注意!休憩を挟みながら“ごきげん温泉”に浸かって下さい。装画は『死後くん』が担当。のほほんな雰囲気にぴったりです。2018/01/23
ホークス
53
温泉エッセイ32篇。吉川英治の文章がなんとも言えず心地よい。のどかで清々しくて、軽妙な小説のよう。四谷シモンが種村季弘らと訪ねる東北の湯は、自由で愉快な気分が溢れている。同じ東北でも高村光太郎は、楽しげな言葉を並べていても謹厳そのもの。角田光代が亡き母親と行った最低の旅は、クスッとさせて泣かせる名編。引率役の交代に、親も子も過ぎ去った時間を思い知る。松本英子の「母と」は、まさにその漫画版。温泉に期待するものも、イメージもこの一世紀で大きく変わった。人それぞれの時代背景と本性を、温泉は優しく映し出す。2020/04/23
そうたそ
33
★★★☆☆ 「おいしい文藝」シリーズには一区切りをつけたのか、新たに「ごきげん文藝」シリーズがはじまった模様。温泉がテーマとあっては手に取らないわけにはいかない。古きから新しきまで様々な作家が綴った温泉についてのあれこれが収められる。都会の喧騒に疲れて鄙びた温泉宿でまったりって想像するだけでも素晴らしい。名だたる文豪たちも温泉で疲れを癒していた様が想像できて微笑ましい。混浴文化が当たり前だった頃のものもあったりして今と比べて驚くばかり。温泉という特別感。何だかよく分からないがとにかく素敵である。2018/01/30