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出版社内容情報
戦後、日本は内外でどのように捉えられてきたか? 戦後の代表的知識人、渡邊一夫と竹山道雄を中心に、比較文化史の泰斗が解く。
内容説明
日米関係、安保、米軍基地…。渡邊一夫、竹山道雄、E.H.ノーマンは戦後政治をいかに論じたか。その背後に、どのような近代日本についての歴史認識があったのか。日本の未来に備え、比較文化史の泰斗が検証する。
目次
渡邊一夫と竹山道雄
知識人と共産党
竹山道雄といいだもも
ハーバート・ノーマンを持ち上げた人々
グルー大使とノーマン大使
西洋日本史学者の中のノーマン
日本神道発見者と軍国日本敵対者
ノーマンの歴史解釈と竹山の歴史解釈
安保反対と安保賛成
明治は暗いか、明るいか〔ほか〕
著者等紹介
平川祐弘[ヒラカワスケヒロ]
1931年、東京生まれ。東京大学名誉教授。比較文学史家。フランス・イタリア・ドイツに留学し、北米・フランス・中国・台湾などで教壇に立つ。『小泉八雲西洋脱出の夢』他でサントリー学芸賞、マンゾーニ『いいなづけ』の翻訳で読売文学賞、『ラフカディオ・ハーン植民地化・キリスト教化・文明開化』で和辻哲郎文化賞、『アーサー・ウェイリー『源氏物語』の翻訳者』で日本エッセイスト・クラブ賞、『西洋人の神道観日本人のアイデンティティーを求めて』で蓮如賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
軍縮地球市民shinshin
11
戦後の知識人は左旋回の人が多く生き残り、その影響は教科書を通して現代のわれわれまで深い影響を及ぼしている。容共の仏文学者渡邊一夫を基軸としてオールドリベラリストの竹山道夫、左派のノーマンの思想を検討し、ノーマンの思想が反ベトナム戦争世代の台頭にともなって如何に学界を席巻しているかを明らかにしている。著者は竹山の女婿なので、その立場から竹山の秘話を披露している箇所もあるが、全体として特に擁護していることはない。ノーマンの代表作『日本における近代国家の成立』は岩波文庫に入っている。2018/01/10
古本虫がさまよう
1
『竹山道雄と昭和の時代』 でも、知識人としての竹山道雄のことを本格的に論じていた。竹山さんがベルリンの壁などを見て論じた東独・西独比較論を、東独擁護の共産主義的知識人がいかにノーテンキな発言で批判をしていたかなど、容共リベラルの知性の低さ(反知性主義)を再認識させてくれる本でもあった。今回の河出の本は、竹山さんと同時代を生き、知識人として発言しあった仲でもある渡邉一夫という人を中核というか、キーパーソン(狂言回し?)として、その左右にいたかのようなE・H・ノーマンと竹山道雄を比較しながら論証している。2017/11/16