出版社内容情報
史上初の全巻個人編集「世界」「日本」文学全集の楽しみ方とは。対談:石牟礼道子、大江健三郎/インタビュー:鈴木敏夫、角田光代他
内容説明
豪華対談・鼎談多数収録。
目次
緒言(池澤夏樹)
池澤夏樹ロングインタビュー―「人間とは何か」 その手がかりとしての文学
記憶が紡ぐ歌、そして物語へ 石牟礼道子×池澤夏樹
日本を変革する新しい文学運動の始まり―「日本文学全集」刊行開始にあたって 大江健三郎×池澤夏樹
世界文学は越境する 鴻巣友季子×沼野充義×池澤夏樹
世界文学と『苦海浄土』―熊本県立図書館での講演から(池澤夏樹)
王朝文学は連環する 森見登美彦×川上弘美×中島京子×堀江敏幸×江國香織
六本木(岡田利規)
角田光代、『源氏物語』を訳す
文学全集とその時代(斎藤美奈子)〔ほか〕
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
41
池澤夏樹個人編集日本文学全集も残すところ角田光代訳「源氏物語」のみ。これまで読んだ全集を振り返る意味でも、この本を読んだ。池澤さんの意図したように、この新しい試みに酔いしれ、文学や日本語の魅力に引き込まれた。世界文学全集の方も読んでみたくなる。まずは、「源氏物語」が、図書館の予約で届いているようなので、早く読んでみたい。2017/10/26
mikarin
17
池澤夏樹個人編集の文学全集の発刊にあたり書かれた文章だったり対談だったりが集められた本。これが意外と面白かった。日本文学の方は何冊か読んだのですが世界バージョンがあるのをコレで初めて知りました。出来れば全部読んでみたい。翻訳についての対談が面白かったです。去年くらいから日本語以外の言語で書かれた本を読もうと意識していたところだったのでとても参考になりました。私のうちは典型的な昭和の中流家庭だったので日本文学全集と百科事典ありました。全部は読まなかったけどその背表紙に書かれた作家の名前は今でも覚えています。2019/11/30
あいくん
15
☆☆☆☆池澤夏樹さんは「世界文学全集」と「日本文学全集」の個人編集をやっています。あわせて60巻です。石牟礼道子さんが「世界文学全集」と「日本文学全集」の両方に1巻ずつ入っています。「世界文学全集」には鴻巣友季子さんの翻訳も入っています。「世界文学全集」は石牟礼道子さん以外は日本語訳です。池澤さんは新訳を載せるようにしました。池澤夏樹個人編集「日本文学全集」は30巻あります。第1巻から第12巻までは古典文学です。国文学の専門家でなく、現代作家さんが現代語訳をしています。2019/05/28
ふゆ
14
世界文学全集はまだしもあのキレイな日本文学全集が欲しかったのに、諦めざるを得ない住宅環境なのでこれを。石牟礼道子とか大江健三郎との対談もすっごく面白いし、山本貴光のインタビュー、翻訳というものについての考え方も全然知らなくて驚いた。池澤夏樹からの真摯な後進への応援を受け止めたい。2018/05/03
bluemint
13
今のこの時代に敢えて文学全集を出す意味は?しばらく前からずっと気になっていた全集。数冊はすでに購入して読んでいるが、一人で全集を編纂する意図や想いを対談や関係者のエッセイで示す。編纂者が一人ということで、「日本語のために」など他に類を見ない尖った収録内容になった。古典の現代語訳を依頼された作家は以後の文体に変化を起こすと言われている。初期計画のラインアップリストも掲載されて面白い。2019/01/09