出版社内容情報
世間から隔絶され生かされている少女たちを描いた狂おしく耽美な恋愛小説集。「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」の著者の真骨頂
内容説明
あとどのくらい私たちはこうやって肌を合わせられるのですか。世間から隔絶された場所で生かされている美しい少女たち。快楽に溺れながらも、真実の情愛を求める彼女たちに救いはあるのか?儚くも美しい恋愛小説集。
著者等紹介
宮木あや子[ミヤギアヤコ]
1976年神奈川県生まれ。2006年『花宵道中』で第五回女による女のためのR‐18文学賞大賞と読者賞をW受賞しデビュー。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
123
久々に宮木あや子を堪能した。4話ともぞくぞくさせるほど美しく、そして痛い。この4話の登場する『おんな』のどれかに私も属するのだろうか?そう、自分に問いかけるかもしれないが、哀しいかな美しい時はあまりに短く、青き尖った時もはらはらと握りしめた砂がこぼれる時間ほどもないのだ。手の平にはわずかに幾粒かの名残だけがある。それが逆に過ぎ去りし日々を甘美で魅惑なものと際立たせるのかもしれない。いえいえ、私にはそんな思いは欠片もないのですよ・・2017/10/01
モルク
112
10代のまだ大人とは言えない少女たち。閉鎖的で、それでいて壊れやすく繊細で危うい、そしてそこはかとなく官能的。結構好きな世界観。ただ、なかなか描写が残酷。残酷ものは基本的に好物だが、ちょっと狂気に近かったので引いた。残酷と純粋は紙一重なのか。2018/05/18
うどん
89
あまり好みじゃありませんでしたがなんとか読了。2017/10/13
Ikutan
85
この繊細で叙情的な作品は宮木さんのA面ですね。閉塞的で、脆く、危うい少女たちの性的な関係が美しい文章で描かれ、独特な世界を醸し出しています。なかなか濃厚な4編の百合小説ですね。『ヴィオレッタの尖骨』は美しい装丁画通りの作品。耽美な芸術の世界と未熟な少女の危うさにぞくりと。『針とトルソー』『星の王様』は少女の置かれた境遇が切なく、あとを引く読後感。ラストの『紫陽花坂』で描かれた少女たちの濃厚な関係は、共学育ちの私には分からないけれど、夕子の様な少女が存在するのなら、その息苦しさは想像以上で辛いなと思った。2017/10/10
巨峰
82
少女少女少女。宮木さんのA面。余談ですが、最後の「紫陽花坂」でてくる女子の名が軒並み「~子」で誰が誰だか解りにくかった。キラキラネームがいいとは言わないけど、~子ばっかりというのもどうなんだろうねと。どうにも没個性的やん。2017/12/22