ヨコハマメリー―かつて白化粧の老娼婦がいた

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  • サイズ B6判/ページ数 328p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309025933
  • NDC分類 368.4
  • Cコード C0095

内容説明

歴史の中に埋もれていた幕末以来の“娼婦たち”を掘り起こし、一方で“メリーさん”の周辺に生きる人々の人生を見つめた渾身の実録!時代とともに“ヨコハマ”の町が変遷していく姿を背景に、謎めいた“ハマのメリーさん”の鮮烈な全貌を描くドキュメント!

目次

第1章 メリーさんとは何者?
第2章 “ヨコハマ”から読み解く近現代
第3章 “メリーさん”の記憶
第4章 ローザとメリー
第5章 港のメリー・ヨコハマヨコスカ
第6章 二人の「マイウェイ」
第7章 伊勢佐木町ブルースが聞こえる
第8章 エピローグ

著者等紹介

中村高寛[ナカムラタカユキ]
1975年、神奈川県生まれ。1997年に松竹大船撮影所よりキャリアをスタート。李纓監督の『味』(2003年)、『靖国(YASUKUNI)』(2008年)で助監督。2006年に映画『ヨコハマメリー』で監督デビュー、横浜文化賞芸術文化奨励賞、文化庁記録映画部門優秀賞、ヨコハマ映画祭新人監督賞・審査員特別賞、藤本賞新人賞など11の賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

honyomuhito

71
真白い衣装に、白粉を塗りたくった白い顔と手足。強くアイメイクを施した目元は、隈どりのように黒い。姿勢は良いが、その背中は長年の路上での生活のためか、大きく曲がっている。メリーさんを実際に見たことはないが、このビジュアルがモチーフになった作品は、いくつか見たことがあるような気がする。山下和美の「不思議な少年」にも、メリーさんをモデルにした話があった。それほど彼女の存在は、創る人々の創作意欲を呼び覚ますものであるのだろう。https://chirakattahondana.com/ヨコハマメリー/2019/04/10

あじ

59
背が曲がる高齢になっても、ヨコハマの街角に立ち続けた娼婦メリーさん。都市伝説と化したメリーさんの消息を追いながら、映画のクランクアップまでを綴るドキュメントです(※著者がメガホンを取ったメリーさんに関する映画)。過去を暴くことに終始せず、一個人の生き方を尊重する構成が良かった。対象と非対象の間に流れる無言の頷き─、真実を白日の下に晒す事だけがノンフィクションではない。少なくともメリーさんを見届けたいという方は、読む価値があると思います。2017/10/22

つちのこ

43
少年の日に見た異形の老娼婦ヨコハマメリーの残像を追って、自らが監督するドキュメンタリー映画を完成させるまでの苦労話である。残念なのは著者がそこまでメリーさんにのめり込む動機が今一つ伝わってこないのと、横浜の歴史や風俗、証言者の個人史について割いた部分が冗長すぎる。横浜を去り故郷に戻ったメリーさんとの面会はクライマックスともいえる部分だが、ボタンの掛け違いのような接触で終わっている。むしろこの部分は必要なかったかもしれない。横浜の街に受容され、ノスタルジーとともに風物的な存在であったメリーさん⇒2022/01/20

むぎじる

42
戦後、洋娼(ラシャメン)として生きた女性メリーさんについて、横浜の歴史や関わりのあった人からの談話を基に人物像を浮かび上がらせていく。国の身勝手な政策から作られた娼婦という職業に翻弄されながらも、娼婦として生きざるをえなかった女性たちがいた。悲しい現実はさることながら、たくましさと強さが垣間見える。メリーさんの知り合いの中にシャンソン歌手の元次郎という人物がいたが、その方の人生も壮絶で息を飲んだ。メリーさんが生きるためには、プライドが必要だった。それがお守りだったのだろうか。2019/09/10

やいっち

37
書店で衝動買いした本。内容以上に、表紙の写真に写る、ほぼ生涯娼婦だったメリーさんの姿に衝撃を受けて、というのが正直なところ。  戦後、アメリカ軍の兵隊相手にパンパンたちが働いた。メリーさんもその中の一人。一般の兵隊じゃなく、高級将校のみを相手にする、プライドの高い娼婦だったとか。  本書はメリーさんを巡る人物群を筆者が映画化した。その映画化の経緯を縷々語る本というべきだろう。2017/09/25

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