出版社内容情報
年上の妻に先立たれた老境の主人公が紡ぎだす子供時代、高校時代、結婚生活の鮮明な記憶。CM界から転身した作家初の本格長篇。
内容説明
坂の上り口の桜の老木がある家、列車目がけて石を投げた橋、清掃工場の四角い建物から不安定にそびえた煙突、ボルサリーノを巻き込んだまま走り抜けた列車、網棚に置き去られた赤ん坊、山岳部の再興を託された新米英語教師、写真部で購入した8ミリカメラ。小説の時間と現実の時間がまざりあう、著者初の書き下ろし長篇。
著者等紹介
川崎徹[カワサキトオル]
1948年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。CMディレクターとして、「それなりに」(富士フィルム)、「ハエハエカカカ」(キンチョール)など、多くのヒット作品を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミーコ
44
初読みの作家さん。ページ数が少ない割りに時間が掛かりました。表紙とタイトルから想像してたのと違ってて もうひとつ話に入り込めず、残念。二編めは理解出来ないまま 終わってしまいました。2017/11/22
blue_elephant
6
初読川崎徹氏。CMディレクターということもあり、言葉遊びは絶妙。不思議な感情がぷくぷくと浮かびあがるが、主人公の回想や想いがあちらこちらと動くので、少しばかり置いてけぼり気味になりながらも愉しめました。ある程度、年を重ねないと共鳴できないのでは。2020/06/01
しゅー
3
いまいち入り込めずわたしには合わなかったなぁ……。2019/03/24
takao
2
ふむ2023/07/09
よだみな
2
これまで生きてきたたくさんの思い出と、あいまいになっていく記憶、美しい風景、いつの間にか笑いがこみあげてくるエピソード、老いていく身体など、すべての描写がすごい。 今年読んだ本のベスト10に必ず入る、著者の最高傑作。うちにもたぬきさん、来てください。2017/08/27