血と肉

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血と肉

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  • サイズ B6判/ページ数 164p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309025407
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

その日私はお腹の子と、夜行バスで東京を去った…田舎のラブホテルを舞台に、女性の持つ業と痛み、そして「命」の連鎖を描く飛躍作!

中山 咲[ナカヤマ サキ]
1989年岐阜県生まれ。2006年、高校在学中の17歳の時に、『ヘンリエッタ』で第43回文藝賞を受賞しデビュー(選考委員:角田光代氏、高橋源一郎氏、藤沢周氏、保坂和志氏)。本作が2冊目の単行本となる。

内容説明

不倫相手との子どもをひとりで産むと決意し、古ぼけた海辺のラブホテル「コート・ダジュール」に住み込みで働くことになった光海。オーナーの老婆・頼子さんは上品で優しいが、ある日、ホテルの一室で行っているという怪しげなミサに光海を誘う。子どもの父親の家庭をぶち壊したと告白した光海だが、いっぽう頼子さんも過去に大きな「罪」を犯していた…。女であることの生々しい痛みと、連綿と続く命の連鎖を直視する問題作。

著者等紹介

中山咲[ナカヤマサキ]
1989年、岐阜県生まれ。京都大学文学部卒業。2006年、『ヘンリエッタ』で第四三回文藝賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

158
タイトルと装丁にガツンとやられ、手にとった作品です。まさしくタイトルどおりであり、装丁が醸し出す雰囲気、そのままの作品でした。不倫相手の子を身ごもり、シングルマザーとして生きていくことを決意した「光海(みつみ)」、働く場所は古ぼけた海辺にひっそりと佇むラブホテル。そのラブホテルオーナーの老婆「頼子」をはじめ、働いているスタッフは皆、女性でワケありばかり。温かさはほとんどなく、ただひたすら淡々と日常を綴るその作風はかえって新鮮に感じました。'生きる'ということ、'生かされている'ということ、重い作品でした。2017/04/09

takaC

88
著者略歴の脇にあった~初出「文藝」2016年秋季号~というのを最初に見た上でそういう心構えで読んだのだが、それでも最後の展開は予想外だった。ショック大。2017/04/20

Shoji

76
どうしようもない人たちのどうしようもない物語。トラウマに満ちた過去、閉塞した現在、当てのない未来。それでも生き続けなければならない、いや生かされ続けねばならない。ラスト数ページは圧巻。読んでいる間は、ざらついた感覚がつきまとった。どんよりとして湿っぽくて重たい物語。私は好きだ。2017/05/01

fwhd8325

47
重い空気を感じながらも、前半はどちらかというとポップな印象を持ちました。突然ではありませんが、終盤にかけては、ピント張り詰めた緊張感を感じます。おそらく、このエンディングのためにすべてがあるんでしょうが、これがとてもはまります。終盤の乾いた激しさは強く印象に残ります。この世界観は狂気でも何でもない日常の切り絵のように自然に感じます。2017/05/16

cryptoryou

42
印象的なタイトルと表装に惹かれて手に取った作品、不倫相手との子供を身ごもり、田舎のラブホテルで住み込みの仕事を始める「みつみ」、ホテルのオーナーや同僚との淡々とした日常、誰もがそれぞれに罪を背負い、また背負わされながらも、そんな己に許しをこいながら生きている。どんなに、あさましく、汚らしくなっても、“血と肉”の罰を負いながら残酷な世界へ命を連鎖してゆく。「痛くて痛くてたまらなくても、簡単には死ねないようにできている、それが罰」ジリジリとした重苦しい生への渇望が詰まった物語。荒々しく雑だけど、嫌いじゃない。2017/05/19

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