出版社内容情報
没後90年。自由律俳句の巨人を総特集。俳句鑑賞から鼎談、エッセイ、評論、漫画……でその魅力に迫る。放哉散文セレクションも。
河出書房新社編集部[カワデショボウシンシャヘンシュウブ]
目次
鼎談 捨てて、捨てて、捨てきってもなおあふれでた言葉
放哉と井泉水
放哉散文セレクション
戯曲「南郷庵」
漫画 和田ラヂヲの嫁に来ないか
放哉の島で
放哉俳句鑑賞
表現者・放哉
詩と生涯
俳人放哉の誕生と終焉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はまだ
29
句を詠む尾崎放哉は、42歳で死んだ。私は今42歳であり、句を詠まない。全然ちがうのだ。例えば、私は、小豆島に渡ってわずか8ヶ月で死んだ経験もないし、「咳をしても一人」という句を書くことはできないし、ここに「も」を入れられるだけの能力はないし、「すばらしい乳房だ蚊がいる」と、これ以上ない組み合わせを思いつくこともないし、そもそも、これほど短い文字列で、人を揺らせられない。当たり前だ。彼は、何しろ表現者として飛び抜けている。この本を買うより句集を買おう。買います。すまん。すまん?⭐️42017/01/31
gtn
2
「すばらしい乳房だ蚊が居る」この句を初めて目にしたのは高校時代だったか。それから三十年、ずっと放哉に惹かれている。彼が零落したのは、ポーズでもナルシシズムでもなく、ただただ自分自身のだらしなさで不本意ながら堕ちていったのである。そこに更に惹かれる。2017/12/30
やいゆえよ
0
かなり内容が重複するものが多く読むにつれてストレスが……。放哉とランボーの共通点などおもしろい指摘はたくさんあったけど。2022/07/01
しめじ
0
乞食生活をしても俗性を捨てられず、1人になりつつ1人では居られない人間 矛盾を抱えた姿は人間味、俗物性にあふれている 内省的、自閉的、自罰的な人間が迎える結末として、幸せではなくとも一つの美しい形を新しく知った 晩生の病苦、貧しい生活の苦しみを思うからこそ、そのように死んだ生涯に憧れを感じている2021/05/09
たつのすけ
0
○2017/02/22