子どもに歯ごたえのある本を

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  • サイズ B6判/ページ数 282p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309024356
  • NDC分類 909.04
  • Cコード C0095

出版社内容情報

大江健三郎との対談、講演録などを集成した初の談話集。豊かな経験と知識に裏打ちされた、子どもと本との幸福な付き合い方。

【著者紹介】
作家、翻訳家。『クマのプーさん』『ちいさいおうち』「うさこちゃん」シリーズなど数々の欧米児童文学の翻訳を手掛けながら、『ノンちゃん雲にのる』等の創作も行い日本の児童文学普及に貢献した。2008年没。

内容説明

子どもが本を好きになるには?翻訳、創作、読み聞かせ…「子どもの本」の開拓者、石井桃子が伝える、心をゆたかにする、本とのつきあいかた。初のインタビュー・講演・対談集。大江健三郎(作家)、吉田洋一(数学者)、吉原幸子(詩人)との対談も収録。

目次

「岩波少年文庫」創刊のころ
「岩波の子どもの本」の頃
はじめに魔法の森ありき
子どもに媚びないピーターラビットの物語
「ノンちゃん」が心に生まれたとき
一世紀という時のなかで
子どもと読書
幼児のためのお話
テレビでは代用できない
子どもに歯ごたえのある本を
子どもが読む本・聞く本(対談 大江健三郎)
子どもと図書館(対談 吉田洋一)
名作・名訳よ永遠に(対談 吉原幸子)
本との出会い・人との出会い(インタビュー 川本三郎)
雪が降っているのに、それは暖かい世界でした(インタビュー 金井美恵子)

著者等紹介

石井桃子[イシイモモコ]
1907年、埼玉県浦和に生まれる。28年、日本女子大学校英文学部卒業。文藝春秋社、岩波書店などで編集に従事。戦後、宮城県鴬沢で農業・酪農をはじめる。その後上京し、翻訳家、児童文学作家、随筆家として活躍。自宅の一室に子どもの図書室「かつら文庫」を開く(58年―のちに公益財団法人東京子ども図書館へ発展)など、その活動は子どもの本の世界を実り豊かなものにした。2008年、一〇一歳で逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

杏子

27
読んでよかった。石井さんのこと、断片的ではありますが、知ることができました。『幻の朱い実』を読んだ後なので、そこらへんのことが興味深かった。プーさんのことも、石井さんご自身の創作も、どんな経緯で作品が生まれていったのか?等など。対談も人によって、話す内容も話してる感じも違っていてその辺も面白い。石井さんがとくに子ども好きだからではなくて、自分がやりたかったことだったから、かつら文庫を始めたというの意外だけど、なるほど!という感じ。まだ読んでない石井作品を読んでいきたいです。2016/06/20

おおた

18
著者の読み方がとにかく素敵で、こういう感性が自分にもあったらなあと羨ましくなり、他人の詩を自分が書いたと言い張ってしまった辻征夫の気持ちが分かる。90歳から100歳(!)くらいの対談やエッセイが中心で、大人、それも本に近い人ほど読むべき名著。本を心底楽しむには学ばないといけないし、その入口は好奇心であるべきことが分かる。子どもたちが図書館から本を借りた後に「こんな感じの本ほかにない?」と質問するという。そういう本こそが広まってほしいし、読まれ続けてほしい。2018/05/16

ツキノ

14
「談話集」なのでインタビューや対談など口調も再現されている。吉原幸子さんとの対談で「ずるい女、嫌いですね。要領よく立ち回る人っていますでしょ。そういう人と友達にならないんです」なんていうのがいかにも石井桃子さんだなぁ。繰り返し出てくる「くまのプーさん」との出会い、祖父とのやりとりは印象的。初出一覧は巻末にあるけれど、タイトルの下に年代くらいはあるとわかりやすかったと思う。たとえば講演で「十年くらい前から」と出てくるけれど、ではいまはいつなのか?というのが後ろのページまでめくらないと確認できないから。2016/01/15

あ げ こ

12
その緻密で具体的でどこまでも細やかな仕事ぶり。石井桃子と言葉、或いは石井桃子と本。いつも目の前にあって、考え終えてしまうというようなことがなくて、それはもう、愛しているとしかいいようのない関わり方なのだ。〈一つ一つの本が、個性豊かに、形もちがう、大きさも厚さもちがう、装丁もちがうし、組み方もちがうといった風であってほしい〉…本という物質そのものにさわる手の親密さ。石井桃子の言葉は常にみずみずしい。“プー“が版を重ねるたびに推敲をしていたというエピソードや、五十年ぶりに改訳した『百まいのドレス』を語る言葉…2022/11/16

うっきー

9
自分が石井桃子さんの著書、訳書ばかりを選んでいたこともあり、また、タイトルを見て、子供の読む本に対して同じような感覚を抱いている気がして、図書館で借りてみました。東北に疎開していたり、ルビつきの漢字をつかうか、ひらがなで書くかといった悩みに共感するところがありました。また、確かに、日本の昔話にファンタジー物はないなと気づかされました。グリム童話のような教訓物は作れても、ナルニア国やアラビアンナイトは作れないし、おむすびころりんの先に、魔法使いがでてきたりもしない。この辺り、日本人が弱い所です。2016/02/09

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