出版社内容情報
私の言葉は動き続ける。私の書く「機械」は止まらない――自身の文学を圧倒的スケールで再構築する傑作の誕生!
【著者紹介】
1956年生まれ。81年「極楽」で群像新人賞を受賞。「なにもしてない」で野間文芸新人賞、「二百回忌」で三島賞、「タイムスリップ・コンビナート」で芥川賞、「幽界森娘異聞」で泉鏡花賞、「金毘羅」で伊藤整文学賞を受賞。
内容説明
幸福になることは復讐である、怒りを忘れぬことは未来への道である。二〇一〇年九月十七日、愛猫ドーラ逝く―悲しみで「死んだ」笙野のワープロの中、荒神様は自力で生き続けた。「静かすぎる」極限ポリフォニー。
著者等紹介
笙野頼子[ショウノヨリコ]
1956年、三重県生まれ。立命館大学法学部卒業。81年「極楽」で群像新人文学賞を受賞しデビュー。91年『なにもしてない』で野間文芸新人賞、94年『二百回忌』で三島由紀夫賞、『タイムスリップ・コンビナート』で芥川賞、2001年『幽界森娘異聞』で泉鏡花文学賞、04年『水晶内制度』でセンス・オブ・ジェンダー賞、05年『金毘羅』で伊藤整文学賞、14年『未闘病記』で野間文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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a43
17
昨日の猫本イベントのおかげで、久しぶりに笙野頼子を読むことができた。作者が大学の講義を持つようになったから(授業受けてー)「キャンパス」なのかな。もう、やっぱりこの方は凄いよ。「目の前にあることを書くだけ」いやいや、書けないよ。本当に神様が降りてるのかと思う。あとがきのタイトル?の自虐さw 猫型の荒神様がきてくれるなら、竃ないけれど荒神さん祀りたい←2017/02/23
くさてる
12
相変わらず、読まずにはいられない笙野頼子の作品。この一冊だけで評価するのは難しい内容かもしれないけれど、これまでの作品を読んできたものであれば、ただもう読み進めずにはいられない。この言葉と文章の流れが、心地良くて、そしてそこから溢れる著者の心情が、ただもう、たまらなくて。愛猫ドラを失ったあとの幻視の描写には肌が粟立つような心持ちになった。恐ろしく、でも美しく、悲しい。ファンとして願うのは、書き続けて欲しい。その一言。2015/02/07
あ げ こ
10
要塞。薄白くて、清潔で、静かで、強固な、要塞。自分にとって、笙野頼子は要塞。どこまでも強くなって行く、どこまでも複雑に、厚く、固くなって行く、要塞。そこに行けば。その中に入れば。負けない。守られる。復活する。また生きて行けると思える。今回は特に苦しかった。息がつまるような苦しさを感じる瞬間がしばしばあった。伴侶猫のこと。失ったこと。そしてあの日のこと。あの日の後のこと。もう止まってしまうのではないかと不安になった。けれど読み終える頃にはやはり、安堵していた。いつもよりも確かに、自分もまた大丈夫だと思えた。2017/09/17
チュンセ
6
これの前を読んでいないので、ザザぁぁ~~としか読みませんでした。順番に読んでみたい本です。2015/05/18
toshi
5
ファンタジーなんだろうけど、最後までなんだかさっぱりわからない。 シリーズものの一篇らしい。2015/01/19