出版社内容情報
「わたしたちは無傷な別人である」「現在地」「地面と床」3作を収録。海外からも絶賛、日本/語が滅びる時を描いた新たなる代表作。
【著者紹介】
73年生まれ。演劇作家、小説家。97年、チェルフィッチュを結成。05年に『三月の5日間』で岸田戯曲賞を受賞。07年に小説集『わたしたちに許された特別な時間の終わり』を発表し、大江健三郎賞を受賞。
内容説明
民主党への政権交代が起こった2009年の衆議院選挙の投票日前日を舞台にした(「わたしたちは無傷な別人である」)。不吉な雲と「村」が破壊するという噂―「東日本大震災以降」に物語の力で抗した(「現在地」)。そう遠くない未来の日本を舞台にした死者と生者の物語(「地面と床」)
著者等紹介
岡田利規[オカダトシキ]
1973年神奈川県横浜市生まれ。演劇作家・小説家・チェルフィッチュ主宰。1997年、横浜で「チェルフィッチュ」を結成。2005年『三月の5日間』で第49回岸田國士戯曲賞を受賞。2007年『わたしたちに許された特別な時間の終わり』で小説家デビューし、翌年第2回大江健三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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chisa
4
劇団チェルフィッチュ・岡田さんの戯曲集。民主党政権交代、東日本大震災を受けて書かれたという。『幸せ』はなんと危うい基盤の上に成り立っているものか。『不幸』に突き落とす種はいろんな所に潜んでいて、少し、気付いているのに、見てみぬ振りをする。それを振り払って『幸せ』であると意識する。なぜならば不安が『弱さ』に付け込んできて、他人を傷つけ自分を狂わせる予感がするから。『他人を傷つけない強さ』が欲しい。どうやったら手に入るのか。『平和』が当たり前だとしている日本人に対する問題提起のように感じました。2017/04/23
バーニング
2
「現在地」は戯曲では十分に面白さが伝わらなかった気がする。人物が場面転換するときにどのように動くのかを視覚的に感じるのと、ただ文章で読むのとは大きく違う気がするので。「地面と床」は面白く読んだ。2015/10/24
Takayuki Yoshida
2
三島由紀夫賞にノミネートされてたので読んでみた。劇の脚本なんだけど、なんというか、すんごい重力下で生活させられてるような感覚を味わいました。2015/05/14
影法師
1
弱ったな。何をやりたかったのか、何が言いたいのか、何もかも理解できん。2015/11/13
ひですけ
1
テーマが日本社会に深く関係していて読んでいて怖くなったり、自分の心の中の気持ちと置き換えて考えたりする。2015/02/22