出版社内容情報
貧乏神被害者の会が催す、“貧乏を断つ”ためのサロン。そこには働かないイケメンの彼氏をもつ、様々な事情を抱えた女達が集まり!?
【著者紹介】
1960年生まれ。兵庫県神戸市出身、現在長崎県五島市在住。著書として『競馬の国のアリス』『お洋服はうれしい』といった競馬・ファッションに関するエッセイなどがある。筑波大学卒。本作にて第49回文藝賞を受賞。
内容説明
カレの正体は貧乏神!?BHK(貧乏神被害者の会)が主催する“貧乏を断つ”ためのサロン。そこには働かないイケメンの彼氏をもつ様々な女たちが集まって…文藝賞受賞作『おしかくさま』に続く痛快小説!
著者等紹介
谷川直子[タニガワナオコ]
1960年、神戸市生まれ。2012年『おしかくさま』で第四九回文藝賞を受賞。競馬・ファッションに関するエッセイがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
118
なかなかシリアスというか、キツい話でしたね〜。「貧乏神」とウワサされるイケメンに貢いでしまい、自堕落な生活を送るアラサーの「エリカ」さんはキャバクラ勤め。幼馴染の「さえ」はお世話にもあか抜けてるとはいえないキャラですが、なんだかんだで二人は仲良し。そんな二人が'貧乏神'の正体をつかむべく、現実を見ようとしない「エリカ」をなんとか説得しながらも悪戦苦闘します。貧乏を断つためのサロンにも通い、なんとか悪い状況から脱しようとするも、結局イケメンの彼に寄り添ってしまう「エリカ」が、残念で本当に痛々しかったです。2021/04/16
いたろう
51
今時の貧乏神は超絶イケメン。ついつい女性が貢ぎたくなる。当然の結果として、貧乏→借金→貧乏→借金の負のスパイラル。貧乏神に入れあげてしまう女性たちの姿は滑稽だが、これはただの作り話ではなく、カリカチュアライズされた現実なのだと気づいたとき、笑いながらもその奥底にあるものにおののく。前作「おしかくさま」では宗教やお金を、今回は甲斐性のないヒモ男を戯画化し、笑わせつつも考えさせる。その手腕は鮮やか。2014/12/19
らむり
46
好きなイケメン以外は何も見えなくなっているダメ女。そのイケメンもバカ男だわ。誰にも共感できないけれど、物語は面白かった。2014/10/31
ひめ
32
イケメンの貧乏神かぁ。いまいちなぁ~。そういえば、死神に取りつかれたお話があったなぁ。浅田次郎の『憑神』。こちらは面白かったよ~。2014/12/16
キラ@道北民
29
働かないイケメン彼氏と現代で変貌をとげた貧乏神。被害者の会が催す「貧乏を断つ」ためのサロンに集まった女たちの生き様を描く。依存していく過程がよく分かり、気持ちは分からないでもない。自分の自信のなさをコントロールされ翻弄されるって、多かれ少なかれよくある事だと思う。貧乏神の設定はなるほどと思ったけど、キャラクターがイマイチだったかな?親友さえちゃんにもっと活躍して欲しかった。2021/04/14