出版社内容情報
南の島から毎日届く手紙の主は誰なのか?名作の誉高い『波の上の甲虫』と童話モチーフの連作『からっぽ男の休暇』2編を収録。
【著者紹介】
1961年生れ。出版社の編集を経て、音楽や舞台、テレビなどでも活躍。88年『ノーライフキング』でデビュー。99年『ボタニカル・ライフ』で講談社エッセイ賞、2013年『想像ラジオ』で野間文芸新人賞を受賞。
著者等紹介
いとうせいこう[イトウセイコウ]
1961年東京都生まれ。作家、クリエイター。早稲田大学法学部卒業後、出版社の編集を経て、音楽や舞台、テレビなどの分野でも活躍。1988年『ノーライフキング』で作家デビュー。同作は第2回三島由紀夫賞、第10回野間文芸新人賞の候補作に。また第二長編となった『ワールズ・エンド・ガーデン』は第4回の三島賞候補作になる。1999年『ボタニカル・ライフ』で第15回講談社エッセイ賞受賞。2013年、1997年に刊行された『去勢訓練』以来、16年ぶりに執筆された小説『想像ラジオ』を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kiho
11
日常から離れた南の島で男性作家が綴る現実と架空の物語⭐途中からどっちがどっちかわからなくなる不思議な感覚に陥りつつも、南の島という空気感を存分に味わえる一冊♪2015/04/01
hirayama46
4
いとうせいこうの古い作品の復刊を行っているレトロスペクティブの一冊。「波の上の甲虫」と「からっぽ男の休暇」の二部を収録。「南島小説」ということでどちらも南国の島を舞台にしておりますが、作風はくっきりと違っていて、「波の上の甲虫」は現実感を歪めたメタフィクションで、「からっぽ男の休暇」は記憶のあやふやさをめぐるとぼけた味わいのユーモア小説になっております。両編とも深刻になりすぎないのは、時間感覚が欠如したような、南の島ののどかさによるものなのでしょう。南の島か……(行ったことがないのでうまく想像できない)。2017/11/14
gojimoto
3
ある意味、現実と幻日の境がなくなる南の島(あくまでイメージ)での 非現実な小説。「からっぽ男の休暇」がシュールで好きです。2015/04/02
yyrn
2
南の島に対する憧れを持つ人は多いと思う。私もその一人だ。この本はフィリピンのとある小島のうら寂しいリゾートビーチでバンガローを借りて休日を過ごそうとする若い小説家が、その単調な生活の中で夢想する物語を毎日「手紙」という形で綴ってゆく話だ。綴りながら、いつしか作家が空想した人物や場面が次々と現れて、空想と現実が混然となったまま帰国する日を迎える・・・とまあ、南国の雰囲気を楽しむには良い本だが、最後がハッキリしない。余韻を楽しめる人には良いだろうが、白黒ハッキリつけたい人は、チョッ怒るかも。2014/08/04
pyidesu
1
今年初読書。良い読書だった。2020/01/11