私の方丈記

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  • サイズ B40判/ページ数 189p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784309022635
  • NDC分類 914.42
  • Cコード C0095

出版社内容情報

混迷の時代にこそ読み継がれる「方丈記」を、随一の現代語訳で蘇らせ、自身の戦中戦後体験と重ねながら、人生の本質を描く感動の書!

【著者紹介】
1935年、東京生まれ。早稲田大学卒業。芥川賞、平林たい子賞、芸術選奨文部大臣賞、谷崎賞、読売文学賞、他2006年「北原白秋」で毎日芸術賞、藤村記念歴程賞、蓮如賞を受賞。07年、日本芸術院賞恩賜賞受賞。

内容説明

人生の原点がここにある。混迷の時代に射す光、現代語訳「方丈記」。引揚者として激動の戦中戦後を生きた著者が、自身の体験を「方丈記」に重ね、人間の幸福と老いの境地を見据えた名著。

目次

現代語訳 方丈記
私の方丈記(川について;こととの出会い方;災難の多い通のこと;生き残りかたのこと;遷都について;貧を生きるということ;政治なるもののこと;居住空間について;風景について;密室で気楽にすることについて;友達について;山の端の気分について)
方丈記 原文

著者等紹介

三木卓[ミキタク]
1935年、東京生まれ。早稲田大学文学部露文科卒業。73年「鶸」で芥川賞、85年「馭者の秋」で平林たい子賞、89年「小噺集」で芸術選奨文部大臣賞、97年「路地」で谷崎潤一郎賞、2000年「裸足と貝殻」で読売文学賞、2006年「北原白秋」で毎日芸術賞、藤村記念歴程賞、蓮如賞をそれぞれ受賞。2007年、日本芸術院賞恩賜賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Mijas

46
「われ、今、身のためにむすべり。」この世に永遠に続くものは何もない。続かない幸せ、無常の幸せとは何だろう。目的を得ることではない。足るを知ること。方丈記の意味するところを自身の体験に重ね合わせたエッセイ。満州時代と引き揚げ後の貧困と苦悩、肉親の死、会社を辞め、病気がちであった。そんな中でも生きることだけは守るべき価値がある。筆者の綴る文章に引き込まれた。方丈記を引用しながらのエッセイだが、筆者と同じく、仁和寺の僧が死者たちを供養して歩いたというくだりに心動かされた。そして方丈記の素晴らしさを改めて知った。2017/06/22

森の三時

24
方丈記現代語訳、三木さんのエッセイ、方丈記原文の3部構成。ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。高校生の頃は、書き出しの美しさに惹かれましたが、それ以上の共感はありませんでした。人生経験を経た今読み返すと、大火事、竜巻、遷都による混乱、飢饉、大地震と津波など、京の人々を襲った災難の数々とそれによりもたらされた理不尽な人々の死を見つめ続けた鴨長明の心境が理解できるようになりました。また、三木さんも若い頃から大変なご苦労をされていた。更に人生経験を積み、おじいちゃんになったらまた読んでみます。2017/10/14

ぱせり

5
著者の子どものころ住んでいたアパートの屋上に捨てられていたたくさんの畳を、子どもたちはカードのお城のように組み立てて小さな基地を作る。仲間たちが帰っていった後の誰もいない畳の小屋に、子どもの著者が一人きりで座るところ、好き。「仄暗くてせまく、懐かしい空間」に、読んでいる私も誘われてほっとしている。2021/12/26

きみさん

4
 まず現代語訳があり、著者のエッセイが続き、最後に原文という、心憎い構成。担当編集者の腕の良さかしら? 天変地異については、現代に通じるものがあり、とても身近に感じられた。 有名な「広さはわづかに方丈」の部分を改めて読み、憧れに似た思ひを抱いた。2014/11/06

サボテンX

3
大昔、大火では数千人が死ぬ。日照り、台風、洪水が続いて2年連続の飢饉に加えて疫病が流行る。さらに「もっとおそろしいのは地震」とのこと。  鴨長明が生きた時代は、なんと凄まじい時代であったことか。本当に死が隣り合わせの時代だったのだと文章を読んでいて感じた。三木卓が経験してきた戦後も大変な時代だった様子。それを考えると今の時代、色々苦しいことも我慢できるかも。2019/07/31

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