彼方へ (復刻新版)

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  • サイズ B6判/ページ数 214p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309022161
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

兄の愛人の死に関する言葉にとらわれ、俳優の弟は劇団のドグマティックなあり方に嫌気がつのる。根源的なテーマを問う丸谷風俗小説。

【著者紹介】
作家・英文学者・翻訳家・エッセイスト。主な著書に『笹まくら』など。1925-2012。芥川賞、谷崎潤一郎賞、読売文学賞、野間文芸賞、川端康成賞、芸術選奨、大佛次郎賞、菊池寛賞など受賞多数。文化勲章受勲。

内容説明

不倫を続ける会社役員の兄から、その愛人の言葉を聞き、俳優の弟は、死後の世界にとらわれ、新劇の世界の違和感に耐えられなくなる。…風俗の背後に人間の永遠を追求する初期傑作。

著者等紹介

丸谷才一[マルヤサイイチ]
1925年、山形県生まれ。東京大学文学部英文科卒。作家、翻訳家、エッセイスト、文芸評論家。主な小説に、『年の残り』(芥川賞)、『たった一人の反乱』(谷崎潤一郎賞)、『樹影譚』(川端康成文学賞)、『輝く日の宮』(泉鏡花文学賞)など、主な翻訳に、ジェイムズ・ジョイス『若い芸術家の肖像』(読売文学賞)など、主な評論に『忠臣蔵とは何か』(野間文芸賞)などがある。文化勲章受章。2012年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ぺったらぺたら子 

13
私の為の小説。私はウルフ「灯台へ」「幕間」にチェーホフ「ワーニャ伯父さん」と同じテーマを見たが、著者も同じ発想を持ち、本書に籠めた。まず新古今の引用でテーマを示し、またウルフの手法・文体をそのまま使って「ワーニャ」論を繰り広げる。それはウルフについて何一つ言及されないままの、透明人間のようなウルフ論でもあるのだ。『おれは今チェーホフの本質をとらえた。ようやく』って「灯台へ」のラストやん!と、笑いつつ痺れつつ読んでいたら、最後は何とチェーホフの必殺技「うっちゃり」が炸裂!!あまりの事に、嬉しくて悶えました❤2018/03/05

がっちゃん

3
一段落中の文で改行せずに場面が切り替わり、展開していく文体(書き方)が新鮮で面白かった。こういう表現もあるのね。内容の感想。考えるな、感じろ!2014/07/27

JVSTINVS

1
この『彼方へ』は、伊藤整の『イカルス失墜』にも似て、実験性と風俗の味を共存させようという苦心によって成り立っているが、当時の空気を知らない人間には理解が困難なところも多い。しかし、この時代はまだリアリズムで小説を書いてもおもしろくできたんだなぁ、という感慨はかなりある。2022/02/24

GO-FEET

1
★★★2014/06/15

suzy

0
人の頭の中で、思考はひとつのことにとどまらず、集中力なくあちこちに飛んだりぐるぐると同じところで回ったりしている。自分もそう。よく文章にしたなと思う。試作品?2020/10/30

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