ヒトデの星

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  • サイズ B6判/ページ数 284p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309021546
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

昔々あるところに―どんなものでも作ることができる工場があった。その工場は、世界を泥の海にしてしまう。昔々あるところに―ヒトデから作られた男がいた。ある日のこと、男は、仕事帰りに見たことのない箱を拾う。男の生活は一変し、ささやかな世界の再生がはじまった…。

著者等紹介

北野勇作[キタノユウサク]
1962年、兵庫県生まれ。甲南大学理学部卒。92年に『昔、火星のあった場所』で第4回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、デビュー。同年、落語台本「天動説」で第一回桂雀三郎新作落語“やぐら杯”最優秀賞受賞。2001年、『かめくん』で第22回日本SF大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

32
なんだかわたしの頭の中も泥になったような気がする不思議な読後感です。私を知ったヒトデナシの、哲学的な問いが深いようなかわいいような。泥とテレビにまみれた世界でした。これから、カメリとかに続くのかな。好きです。2017/02/09

ぜんこう

25
知らずに読み始めたけど、これって「カメリ」に出てきたヒトデナシと泥の世界の話やん。 ヒトがヒトの代わりとしてヒトデから作ったヒトデナシ。 なんで泥の世界になってしまったのかも書かれてるし。 でも軽い調子やのに哲学的(?)やなぁ。 私が私を複製して、どっちも「私」って書かれてたり難しいとこもあるけど面白い話でした。2019/03/13

あじ

22
良い意味で私の読書道に水を差す、道草的な作品であった。2013/09/18

昼と夜

22
おうちが好きです。駅から自転車乗って、工場の間を通って、大きな通りを道なりにいって、木がわさわさ生えてる交差点を夕飯の匂いが漂う住宅地に入る。小道を抜けて角を曲がったら右に見えるのがうち。うちが見えたらただいまーって思うんです。そんなただいまーっていいたくなる少しもの悲しいお話。誰もがみんな今日も幸せなおうちに帰れますように。『そんな空を見ながら家に帰っていくとき、私はいつも、たぶんこれが幸福というものなのだろう、と思う。』2013/04/25

草食系

20
出荷され、シナリオ通りに動き、与えられた記憶の範囲で与えられた役割を生きるヒトデナシ。不条理な映画のように、何度も最初に戻ってくるような物語。誰かにコントロールされた社会や習慣から逸脱し、初めて自我が芽生えて見渡した世界は、慣れ親しんだ場所ではなく、奇妙な場所。異物となって初めて見えてきたもの。疑問を持たず自我のない、葛藤の少ない幸せより、自分の輪郭を探し求める何度でも。ヒトデナシの世界と自分のいる世界が滲み合い、足元が泥に埋もれて覚束なくなるような、とても奇妙な境界の物語。2013/03/08

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