内容説明
現代語から、古典の多様な語彙を知る。数詞や鳴き声、自然現象や病気の和語、擬音語や擬態語も収録。上代から近世までの多様な出典、豊富な用例を収録し、古文への翻訳に役立つ、指示詞、代名詞から敬語動詞一覧まで収めた付録つき。
著者等紹介
古橋信孝[フルハシノブヨシ]
1943年生まれ。国文学。武蔵大学教授。東京大学文学部国文科卒業
鈴木泰[スズキタイ]
1945年生まれ。日本語学。専攻大学教授
石井久雄[イシイヒサオ]
1950年生まれ。日本語史。同志社大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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袖崎いたる
5
辞書論が本の前後に附されてる。現古辞典は一種の類語辞典として、言葉がいかに表現されてきたのか、その歴史が読める。ラカンは「孤島に一冊だけ持っていけるとしたら何の本にするか?」と訊ねられて、『フランス語語源辞典』と答えたが、現古辞典もその役を担うだけの実質がありそうだね。言葉そのものが持つ記憶を明け開くための縁として。……古文に再入門しつつあるね、あたしゃ。2021/01/29
横丁の隠居
1
現代語から古語を引こうという、およそ用のない、無駄な本だと思ったが、実は大変面白い。特に私が興味深かったのは、現代において漢語やら外来語やらを使って長い言葉で表現しているものが思いがけず、古語には短い単純な表現を見出せたりすることである。たとえば「結婚する」は「あふ」、「満足する」「あく」の類である。巻末の解説も面白い。指示語の「あ」系は奈良時代にはなかったとか、「ど」系は鎌倉時代以降とか目からうろこの知識満載である。おすすめ。2018/07/17
takao
1
これはおもしろい。2017/11/15
ラガードー
1
いわゆる逆引き古語辞典。用例とその出典も示され読みやすいのだが、「辞典」と名乗るならもっと多数の収録語彙を期待したい。2015/03/06