内容説明
ポケットの中で、風の中で、宇宙のてっぺんで。年月を経て、いま、確かに甦る、静かに光り輝く言葉と愛の結晶。
目次
ポケットの中で星が揺れたので
海はちゃんと姿をみせない
憂いに満ちた満天の野原
リムジンに僕を乗っけてよ
菜の花ばたけですれちがう
こおろぎの散歩道
砂漠の子ども
透き通った幸運
夜のテラス
水色のかきね〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シュエパイ
7
君とくるまってねむるために、が一番ストレートに私に響くのです。緑色の澄んだガラスの小瓶に、海を閉じ込めたような風景が、私の目の前に広がるような感じ。ポケットの中で星が騒ぐので、と。あぁ、この胸の内に湧く感情を、どんな風に言い表したらよいのでしょう。一言で言い表せないこの感情を、この一冊が丸ごと表しているような気がして、何度もページをめくってはため息がこぼれるのです。だから、大好きなのです、この方の詩が。2012/03/26
ろっか
6
「憧れと尊敬の気持ちを保てなくなったら、それは自分の限界。その人を愛する資格がなくなったということ」白と黒だけの色のない詩集。愛について、少し遠いところから眺めているような。しんとした雰囲気。静かな余白が言葉を際立たせている。『菜の花ばたけですれちがう』『水色のかきね』『風の中のふたり』『閑静な思いつき』『二人の今』『桃下恋人』『ポケットの中で 愛が揺れたので』が好き。図書館で借りた本だけどずっと持っていたい。「ほほえんでくれたこと 何って聞いてくれたこと さよならも今は 愛さえも今は 月夜にひろった氷」2021/10/20
05
5
図書館で見つけた。余白にすら心を惹かれる。愛について冷めたような、遠慮しているような、傷つきたくないから距離をとっているような。でも諦めきれてない、そんな感じ。図書館の本だから返さないといけないけど、今度は本屋で探して買いたい。2022/12/26
ozoz
5
1ページに一行から始まる詩集。ポケットの中で揺れたり、騒いだりするものは。。。余白の美が漂う頁が好き。宇宙のてっぺんのポケットも印象に残る。透明感と涼やかな文体が梅雨の気分をサラリとさせてくれました。2015/06/18
hiro6636
2
久々の銀色夏生。 ポケットの中で星が揺れたのでが好み。2021/12/07