何処やらに、井上井月―伊那の放浪乞食俳人

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  • サイズ B6判/ページ数 261p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309020594
  • NDC分類 911.35
  • Cコード C0093

内容説明

幕末、いずこからか現れ、信州伊那谷に流れ着いた。越後長岡の武士を棄て、家を棄て妻子を棄て、身にはぼろと風をまとい、酒を無心しめしを乞い、ただ俳句だけを己れの矜恃として生きた井月。その生涯に寄りそい、徹底取材で遺作となった渾身のドキュメンタリー。

目次

何処やらに
銀嶺正宗
井月と龍之介
火山井月
雪朧ろ
古城の桜
仙丈の白い月
揚雲雀
四徳哀歌
我も数なり
梶の一葉
日本の秋
井月談義
落栗の

著者等紹介

瓜生卓造[ウリュウタクゾウ]
1920年、神戸生まれ。小説家、エッセイスト。芥川賞、直木賞の候補になった後、『桧原村紀聞』で読売文学賞受賞。山岳、探検、土地、人物に取材した小説を中心に執筆。1982年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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bouhito

4
井上井月という放浪の俳人について、詳しいことはよくわかっていない。伊那の谷におりた深い霞のせいで、曖昧模糊としてしまっている。色恋沙汰とは無縁だったのだろうかと思ったが、どうやら岐阜のよし女という薬種問屋の娘とそういう関係にあったらしい。もっとも、「そういう関係」がそれほど深い仲とも思えない。筆者は井月が放浪者となった原因として男の機能を失っていたかもしれないと考えている。あるいは、そうかもしれない。悪童に石を投げられ、頭から血が出ても「千両、千両」とうそぶくほどに、ひょうひょうとしていたのだから。2015/07/05

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