内容説明
明の司馬、暗の三島。あるいは逆に明の三島、暗の司馬。いっけん、なんの接点もなかったようにみえる、昭和を象徴するふたりの文豪は、「日本の近代」に関して、真逆の立場に見えながらも問題を共有する、合わせ鏡のような存在であった。両者の作品を通じて、幕末以降の日本を考える。
目次
序章 戦後日本の光と影―三島由紀夫と司馬遼太郎
第1章 映画『人斬り』と司馬遼太郎―岡田以蔵と武市半平太
第2章 映画『人斬り』と三島由紀夫―田中新兵衛と永井尚志
第3章 反逆と理想と行動―林房雄『青年』をめぐって
第4章 政治と文化と美学―「天皇無答責論」と「天皇無謬説」
第5章 十七、天に誓って輔国に擬せん―河井継之助をめぐって
第6章 もう一つの“燃えよ剣”―土方歳三をめぐって
第7章 幻に生き、幻に死す―林桜園と神風連の乱
第8章 武士道・陽明学・仏教―吉田松陰と空海
第9章 輪廻と心と太虚―大塩平八郎と西郷隆盛
第10章 生の始めに暗く―三島由紀夫の死と司馬遼太郎
著者等紹介
山内由紀人[ヤマウチユキヒト]
1952年、東京都生まれ。立教大学文学部卒。文芸評論家。1984年、「生きられた自我 高橋たか子論」で第27回群像新人文学賞評論部門優秀作受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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