履歴書代わりに

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  • サイズ B6判/ページ数 181p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309020402
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

吉村昭の世界を一冊に。単行本未収録エッセイ集。歴史証言者の、こだわりの世界と記録の軌跡。

目次

陸橋と飛行機
長崎文化
黒部の思い出
追悼
密輸と闘う羽田税関
テレビマンガを作る人間集団
牛を持つ
道をたずねた少女はどこまでもどこまでも案内してくれた
結婚披露宴
丁髷と大相撲〔ほか〕

著者等紹介

吉村昭[ヨシムラアキラ]
1927年、東京生まれ。小説家。東京開成中学を肺結核のため休学。卒業後、長兄の会社で働いた後、終戦後に学習院大学中退。在学中に同人誌『学習院文芸』(後に『赤絵』)に参加。1958年、短編集『青い骨』を刊行。『星への旅』(太宰治賞)、『深海の使者』(文藝春秋読者賞)、『ふぉん・しいほるとの娘』(吉川英治文学賞)、『冷い夏、熱い夏』(毎日芸術賞)、『破獄』(讀賣文学賞・芸術選奨文部大臣賞)、『天狗争乱』(大佛次郎賞)。菊池寛賞、日本芸術院賞も受賞。歴史文学、記録文学の第一人者であった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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mondo

46
吉村昭の世界を一冊に。と単行本の帯にあるが、まさにその通りだ。長崎をこよなく愛する理由、そして通い詰める食と酒の店、小説を書く上での姿勢や影響を受けた作家達、趣味と家族のことなど吉村昭の人間像をあらためて味わうことができるエッセイ集だ。特に印象に残ったのは、「暗夜行路」紀行と私の青春だった。影響を受けた作家志賀直哉の「暗夜行路」を再度読み直し、小説に出てくる場所を訪ねる。改めて読んでみたくなる。私の青春では、吉村昭の生い立ちや親兄弟に対する思い、当時の世相などが掴める。総じて、何と記憶力が良いのかと思う。2023/09/22

kinkin

45
吉村昭氏の作品は、事実を地道に積み重ねた内容が多い。しかしこの本に収められているようなエッセイも味があると思う。力の入った長編の一方でサラリと書いた数々の作品は読みやすい。また頻繁に登場する肋骨を5本、局所麻酔だけで切除した話があるが、よほど壮絶な痛みだったのだろう。現在ならありえない手術だ。氏が長崎がとても好きな街というエッセイ、わたしも長崎の街を歩きたくなった。2015/04/20

たぬ

33
☆4 エッセー24本、書かれたのは1967年から2004年。とてつもない長崎愛を感じる「長崎文化」と他より圧倒的にページ数の多い「私の青春」が特に印象に残った。とりわけ子宮癌を患う母の病状が悪化しないようにと四兄の戦死を隠す家族、それを知って取り乱す母、父の死を知らずに復員し「お父さんに食べさせたくて米を持ってきた」と言う五兄に返す言葉がない兄弟たちの描写がたまらなく切なかった。2023/04/07

ぼちぼちいこか

17
エッセイ集。前半は小説ネタの探し方や取材話。中間には吉村氏がかつて病んでいた左肺の話。奇跡とは時には偶然を装って訪れるとさだまさしの歌にもあった。まさに生死の決断は1冊の本からだった。後半は随筆を、そして履歴書代わりの私小説。裕福で幸せな暮らしを送っていた吉村氏の家族に戦争が色濃くなってくるが、不幸は姉の死から始まった。吉村氏の青春は戦争と病気との戦いと身内の死だった。今の私ならとても生きていく自信がない。戦争は嫌だと常に思う。吉村氏の小説を読むたびに生きたいと思っている私がいる。 2020/08/09

なにょう

14
★すっごい面白いってわけじゃないけど。戦中・戦後体験談は特に読みでがある。この方も、結核で苦労されたみたいだ。当時は死病とされてた。胸郭成形術っていう手術してようやく一命取り留めたとか。母親の夢に出征した兄が出てきたと思ったら、兄の戦死の報が届いたとか。この方は家族も多くてなかなか賑やかに過ごして来られたようた。★まさか、年に数回足を運ぶほど長崎を愛してたとは。2016/04/14

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