その人の想い出

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  • サイズ B6判/ページ数 171p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309020235
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

さまざまな人、さまざまな出会い、さまざまな記憶。会うが別れの始めとあれば、想い出こそが人生だ。単行本未収録エッセイ集。

目次

最初の稿料
喪中につき…
吉行氏の作品との出会い
妙な友人
読経
板谷さんのこと
路上に寝る
最期の編集
吉村隆策
長屋気分で可楽の「らくだ」〔ほか〕

著者等紹介

吉村昭[ヨシムラアキラ]
1927年、東京生まれ。小説家。東京開成中学を肺結核のため休学。卒業後、長兄の会社で働いた後、終戦後に学習院大学中退。在学中に同人誌『学習院文芸』(後に『赤絵』)に参加。1958年、短編集『青い骨』を刊行。『星への旅』(太宰治賞)、『深海の使者』(文藝春秋読者賞)、『ふぉん・しいほるとの娘』(吉川英治文学賞)、『冷い夏、熱い夏』(毎日芸術賞)、『破獄』(讀賣文学賞・芸術選奨文部大臣賞)、『天狗争乱』(大佛次郎賞)。菊池寛賞、日本芸術院賞も受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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mike

79
吉村氏の記憶の中に居る人達の回想録。家族であったり友達であったり、スポーツ選手であったり様々。一つ一つがとても短く淡々と綴られている。戦士した兄の事を綴った「皮革の臭い」母が兵舎の裏手で好物だった茹で茄子を氷で冷やしてこっそり持って行き、兄は嬉しそうに食べた話。その夜隊列の中に偶然兄を見つけた吉村氏がその腕にしがみついた思い出。3頁にも満たない話なのに不覚にも涙が溢れ出てしまった。2023/12/10

金吾

35
○私にとって吉村さんのエッセイはこだわりがありつつも暖かな人柄に触れられるいい機会に感じ、読み終わるといつもいい気分になります。「妙な友人」「主婦でない妻」「身構える」「惜別 新田次郎さん」「バスとハイヤー」「横綱 北の湖」「父親の涙」「戦争を見る眼」「神崎さん」「昭和二年生れの眼差し」「池波さんと母」「桜花」が良かったです2023/08/08

KEI

35
著者が身近な方を綴ったエッセイ。ひとつのエッセイが2〜3ページというのも読みやすい。吉村さんならではの多くの作家との交流も興味深く読めた。面白かったのは映画がお好きで、登場する女優さんを「この人なら良いお嫁さんになるかな?」というませた子供であったらしい。反対に実際には津村節子さんと結婚されるのだが、結婚に際し津村さんは小説を書き続けることを条件として出したので、結果として吉村さんの望んでいない「主婦でない妻」が出来たとの事。それを書きながらご夫妻の仲睦まじい様子がわかる。著者のお人柄が良く伝わった。2022/08/30

mondo

33
忘れえぬ人の記憶が綴られたエッセイ集。新聞や雑誌で書かれたものの中でこれまで単行本などになっていない未収録の作品が綴じられている。とは言っても、吉村昭のエッセイの読者であれば、何処かで読んだことがあるという作品も多い。しかし、「その人の想い出」と題したテーマが良いと思う。私も作品を読みながら、自分に置き換え、これまでの人生の中で出会った人を想い浮かべながら読み進めた。どのエッセイも、吉村昭の人柄があらわれていて、とても心に沁み入るものばかりだが、「父の教訓」は吉村昭のベースのように思えて何度か読み返した。2022/11/13

なにょう

14
★1から2ページの短編エッセイ。簡単に読めるかと思いきや…ちょっと時間がかかった。親より年上の人は、なんだか遠くの人って感じ。吉村さんは昭和2年生まれ。なんだ、自分の祖父母世代の方だ。吉村さんが思った、感じたようなこと、うちの祖父母も感じたのかな。★吉村さんは、小心から?締め切り以前に原稿を渡すこともあったらしい。最近、時は金なりって思うから、その姿勢は真似したい。★著名人の話しも出てくるが、今は忘れ去られた人もある。北の湖さんの引退の話しもある。去年、惜しまれつつ亡くなったんだよな。2016/03/15

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