世紀の発見

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  • サイズ B6判/ページ数 142p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309019154
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

幼少の頃に見た、対岸を走る「黒くて巨大な機関車」、「マグロのような大きさの鯉」、そしてある日を境に消えてしまった友人A――過去2作を経て著者が到達した、小説に内在する無限の可能性を示した大傑作!

著者等紹介

磯崎憲一郎[イソザキケンイチロウ]
1965年、千葉県に生まれる。早稲田大学商学部卒業。2007年、「肝心の子供」で第四四回文藝賞を受賞する。現在、会社員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

showgunn

8
小説でしか表現しようのない表現を追求し続けたような小説だった、凄まじい。 この作品は特に風景描写に力を入れてる感じがしたがこんな文章を書ける人がいるということが恐ろしいくらいの文章だった。こういう小説にすぐ「わからない」という判断を下してしまう人はテレビドラマでも見ておればよい2016/06/29

訃報

8
リアリズムの制約を破らぬままに、この不思議な感覚。時間の流れ、跳躍。小説すげー、となる。2015/02/25

eulogist2001

4
★4.0白黒のモノローグのような描写が心地よい。さりとて古井由吉のようなパラノイアを思わせる濃密さではなく、ひらりひらりと蝶のように物語る。そこには明確な自我やアイデンティティは感じられず、現在も過去も夢も現実の境界も曖昧。まさに「誰のものでもある、不特定多数の人生を生きている」感覚になる。彼の文章を読むといかに普段、定型的な文体に思考が縛られ、つまり感覚や生きることそのものも矮小化されている事に気づかされる。誰かの記憶を自分の脳内に直接再生して辿るような気分になった。2021/02/12

hirayama46

4
中編「世紀の発見」に短編の「絵画」を併録。個人的には表題作のほうがより楽しく読めました。不可思議な時間や展開の流れが興味深かったです。特に犬の話から親友A、そこからナイジェリアのエピソードに向かいあたりの奇妙な断絶のような感覚が心地よいものでした。思えばあまねく小説というものはページ数と時間は比例しないものですが、それに対して極めて自覚的にねじ曲げた結果がこれなのかな、と思いました。そして小説の要素というのは必ずしも有機的でなくてもよい、と。ふむふむ。2015/10/29

にしざわ

3
素晴らしい書き出しからの、時空と記憶の旅。鳥肌が立つほどよかった。作者は同郷なので、幼い頃に見ていた景色は少なからず似てるのかな、と思ったり。2020/08/12

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