文士のきもの

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  • サイズ B6判/ページ数 199p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309018911
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

出版社内容情報

文豪たちが作品のなかできものをどのように描き、また自らはいかなるきものをまとっていたのか。きもので読み解く新しい文学史。

内容説明

文豪たちはきものをどのように書き、どのように着こなしていたのか。きもので読み解く、もうひとつの文壇史。

目次

樋口一葉―一節流れるきものへの執着
田村俊子―妖しさと華麗さと
永井荷風―“時世粧”の女たち
谷崎潤一郎―王朝のみやびを求めて
舟橋聖一―唯美と官能
立原正秋―紬の強さ、愛の強さ
川端康成―「あはれな日本の美しさ」
久保田万太郎―下町の前掛党
宇野千代―男も大切、きものも大切
宇野浩二・近松近江―作家とモデル
長谷川時雨―きものに託した女の運命
岡本かの子―きものは人を表す
夏目漱石―文豪の意外な姿
幸田文―血縁のなせる業
尾崎紅葉―装い変われば女も変わる
円地文子―さりげなく、やさしく
吉屋信子―すがすがしき少女
中里恒子―誰に見せる為でもなく

著者等紹介

近藤富枝[コンドウトミエ]
1922年、東京生まれ。作家。東京女子大学卒業。旧文部省、NHK、武蔵野女子大学などに勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ヒロミ

30
近藤富枝さんの本は装丁が美しい。明治から昭和の様々な文士たちのきものへの思い入れを綴ったエッセイ。「着物」より「きもの」のほうが匂い立つ香気を感じる。明治の小説には絢爛たるきものの描写が多数あったのだなあ。まるでファッションカタログみたい。明治の読者は微細に描写されたきものの豪華さに胸をときめかせていたのだろう。正直文章できもの描写をされてもピンと来ない面もあり隔世の感があった。谷崎潤一郎の妻・松子夫人の姉妹が勢揃いした写真は白黒ながらため息が出るほど美しい。文学ときものに興味がある方にお薦めしたい一冊。2015/08/23

冬見

20
明治大正昭和前期の文学作品に描写されるきものから読み解く時世粧(その時代のよそおい)。◆ 二十数年間生きていて、きものを着た数は両手で足りる程度。はじめの一葉の章を読んで愕然とした。驚くほど自分が"読めていない"ことに気付いたからである。まず用語がわからない。単語を見ても色や形、紋様が想像できない。そして、それらのよそおいが粋なのか野暮なのかもわからない。裾を上げる理由がわからない。よそおいの意味を正しく理解することができない。それは、登場人物を知る重要なピースを取りこぼしているということである。2019/07/29

sasa-kuma

15
最近箪笥のきものを整理しているので、何かきものに関する本が読みたくなり図書館で借りた本。面白かった。作品の中の人物のきもの考察と文士たち(男女とも)ご本人のきもの愛。きものほど女の欲を目覚めさせるものはないと思っていたけれど、意外にも男性に当てはまる場合もありなんだなぁ。洋服の比ではない。現代に生きる私でさえそう思うのだから、明治の人はなおさらだろう。2015/09/22

めぐみこ

3
文豪たちが描写した着物姿と、本人たちの実際の着こなしを抜粋。時代柄仕方ないとはいえ、白黒写真なのが悔やまれる。抜き書きされたコーディネイトを三次元で見たくて堪らない。特に面白かったのは、女性の着物は関西好みなのに本人は江戸の通人の着こなしだった谷崎潤一郎、長谷川時雨が振り返る明治20年前後の日本橋、当時の流行をすかさず作中に取り込む尾崎紅葉…の辺り。2020/05/28

Gen Kato

3
「きもの」をキーワードに読む近代日本文学および評伝。着物の描写は現代人には理解しにくいところが多いので、こういう著作はたいへんありがたいです。宇野千代先生、かっこいいですね。2015/09/01

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