内容説明
HON“G”DAのバイクって何?ニセ札の見分け方って?体重計り屋さんって、どんな商売?ベトナムを知り尽くした著者が鋭いツッコミと軽妙な筆致で「不思議の国」の魅力を描く、涙と笑いの感動エッセイ&ルポ27篇。
目次
第1章 愛しきインチキ商品たちよ―ニセモノをめぐる四話
第2章 「もうかりまっか」「ぼちぼちだ」―商売をめぐる四話
第3章 なんでそうなるの?―ベトナム社会の不思議をめぐる五話
第4章 欲望と愛情のはざまに佇む―人をめぐる七話
第5章 陽炎に揺れた街―ルポルタージュ二話
第6章 ハノイの朝、プノンペンの夕涼み―旅をめぐる四話
著者等紹介
神田憲行[カンダノリユキ]
1963年、大阪府生まれ。関西大学法学部卒業。故・黒田清の事務所を経て、92年から約一年間、ベトナムのホー・チ・ミン市で日本語学校教師生活を送る。94年、この間の体験を綴った『サイゴン日本語学校始末記』で第十三回潮賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinkin
82
著者は92年7月から93年5月までベトナム・ホーチミン市でベトナム人に日本語を教える日本湖教師をしていた。その当時と近年のベトナム生活で生活・文化・人他ベトナムで体験したことが描かれている。ベトナムというとすぐ出てくるのはベトナム戦争と共産主義だがこの本を読む限りでは戦争の傷跡はかなり癒え共産主義にしても考えているほどの怖さもないように思えた。当然30年経過しているので様相は激変していると思う。そして面白いことを知った。ベトナム語は世界で一番文法がやさしく世界で一番発音が難しい言語だそうだ。図書館本2020/09/01
Machida Hiroshi
5
偽物の「HONGDA」バイクを買ってから、少しづつホンダのパーツと交換して本物に近づけるというのが笑えました。今はすっかり偽物が駆逐されて本物のホンダが一杯走っているようですが。また旅を繰り返していた著者が最後に妻と出会って居場所を見つけたというエピソードに心温まりました。なんだか笑いの感覚が僕と通じるところがあると思ったら、1963年生まれという、全くの同世代でした。発展著しいベトナムですから、約7年経った今は、この本に書かれたベトナムとはだいぶ変わっているでしょう。それでも旅が楽しみになる一冊でした。2014/02/28
ぴよぴよーーーーー
4
著者と同じようにベトナムに長期滞在した頃の思い出と重ね合わせ、また当時抱いていた「ベトナム社会」への違和感を1つ1つ拾い集め言葉によるテキストとして読みなおすことで、少し過去に対する気持ちが軽くなったように思える。「何か変だな」と感じた時にうまく言葉にできずそれらの感情を頭のなかで誤魔化すしか無かった自分に比べ、豊富な表現でそれらを生々しく描いてしまっている著者さんには到底敵わない。いくら海外資本が進出して発展の道を辿っても、ベトナムにはベトナムにしか無い良さがある。外側から見るとこれが愛おしいんだよねぇ2016/08/26
msn
3
ベトナム旅行前に。 個人の日記みたいな本でした。実体験をあげていたので筆者が考えるベトナムがわかりやすかった HONGDA 体重計計り屋さん 母音11、声調6種類 ことばが通じないときはあ?という顔をされる2015/09/19
しょうゆマヨネーズ.com
3
ベトナムに行ってきた。何も調べずに。まっさらな状態にベトナムのエネルギーを詰め込んで帰ってきた。そして、今、この本を読んでいる。旅に出るとき、その土地の情報をどこまで調べるか、いつも迷う。自分の感覚を最大限に敏感にして、気付いたことを片っ端から書くのだけれども、これっぽっちか、という量で終わるのだ。自分のボキャブラリーの無さ、洞察力の無さに悔しい思いをする。プロには敵わないと思い知らされる時である。2015/07/05