夢を与える

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  • サイズ B6判/ページ数 305p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309018041
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

私は他の女の子たちよりも早く老けるだろう。チャイルドモデルから芸能界へ―幼い頃からTVの中で生きてきた美しくすこやかな少女・夕子。ある出来事をきっかけに、彼女はブレイクするが…少女の心とからだに流れる18年の時間を描く。芥川賞受賞第一作。

著者等紹介

綿矢りさ[ワタヤリサ]
1984年、京都府に生まれる。2001年「インストール」で第三八回文藝賞を受賞し、デビュー。04年「蹴りたい背中」で芥川賞を史上最年少・一九歳で受賞する。『蹴りたい背中』は一二七万部のベストセラーとなった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

236
2001年『インストール』文藝賞受賞デビュー、2004年『蹴りたい背中』芥川賞。そして、2007年、『夢を与える』。ここには、あの清新で鮮烈な綿矢りさのイメージはない。うんとプロの作家に変貌したという感じだ。もし、これが彼女のデビュー作なら、若いのになかなかに上手い作家だと評されただろう。その代り、それほど注目されることもなかっと思われる。この時期は作家、綿矢りさにとっては、脱皮し、あらたに変貌を遂げていく重要な時期なのだと思う。物語は、やりきれない暗さに満ちているが、また実によくできた小説でもある。2012/12/17

ひろちゃん

156
全然夢を与える内容ではなかった。主人公夕子はチャイルドモデルから芸能界へ入った。主人公夕子のイメージは「いい子」。途中から展開が狂っていったけどやっぱり純粋ないい子であることは最後まで変わることはなかったと思う。ただ、いつまでも「いい子」や「可愛らしさ」それを卒業しても、人を引き付けるような魅力を持ち続けなければならない芸能人って大変だなとは思う。確かに芸能人ではなかったら最後のような展開にはならなかったのかもしれない。この物語の延長線にどんな人生が待っているのかきになる。2015/10/31

風眠

156
かつて「ゆうちゃん」と呼ばれた国民的アイドル。病院のベッドで、なぜ芸能界から転落していったのかを記者に告白するラストシーン。記者にすがりつく少女の痩せ細った手首。このラストシーンが物語の始まりだったら印象はガラリと変わったかもしれないな、と思った。芸能界という少し特殊な世界で、大人達に守られ過ぎたことが少女にとっては不幸だったのかもしれない。恋した彼にさんざん利用され、動画流出され、芸能界での地位を失ってもなお、世間知らずな自分に気づかず、人を信じようとする少女が痛々しい。光と影、栄光と挫折の物語。2013/01/11

とら

149
芥川賞獲ったあと3年間の空白を経てこの作品が世に出た。あんなに話題になったわけだから、芥川賞獲ってすぐに本出せば売れるって出版社とかも考えるに決まってるけど、出さなかった。綿矢さんに何があったのか知らないけど、やっぱりどこか主人公に投影してしまうのは仕方ない。違うと言っているけどね。前に確か奥田英朗さんの「最悪」の感想で書いたけど、不幸話が好きなのかもしれない、ということ。帯でオチは分かってた。でも分かっているからこそ話にのめり込めた。そして読み終わって不幸話好みだということが完全に確定したw傑作でした。2013/03/31

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115
図書館**波瀾万丈物語**その時、私の人生が崩れていく爆音が聞こえた──チャイルドモデルだった美しい少女・夕子。彼女は、母の念願通り大手事務所に入り、ついにブレイクするのだが。夕子の栄光と失墜の果てを描く初の長編(紹介文・他より)――これはキタ!読書感を例えるなら"イカの握り寿司"ワサビが他の寿司よりも気持ち多めな事を知っていたのに、食べてみたら予想以上にワサビが強烈だった…あの感じ。 ⇒続き2013/08/11

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