内容説明
埴谷雄高、没後10年『死霊』がこれでわかる。五十年にわたって書き継がれ、世界文学の極北に聳える『死霊』その構造と核心をはじめて明晰・具体的に読み解いた名著を全面的に改訂・増補した決定版。
目次
洞窟の奥には耆那大雄がいて、釈迦と対話する―「自序」について
永久運動の時計台―1章 癲狂院にて
お喋り夫人登場―2章 死の理論
貴方は、何を策らんでいるのです?―3章 屋根裏部屋
大逆転、それは三輪与志が赤ん坊を抱いたときから始まった―4章 霧のなかで
三輪高志が首を真横へ廻すと、他の世界から来た“それ”がいた―5章 夢魔の世界
黒川建吉の肩の上に垂直に立った“神様”は、高く差しのばした両手から白い水鳥を放りあげた―6章 愁いの王
白い鬚の老人の眼から眩ゆく白熱する強靱な光が奔しりでた瞬間、黙狂の矢場徹吾の告白がはじまった―7章 最後の審判
蒼白い月光のもと津田安寿子と尾木恒子が三輪与志の創造的虚在を理解した―8章 月光のなかで
与志さんの、虚体、が創出されるのです!と津田安寿子が鋭く叫んだ―9章 “虚体”論
書かれなかった『死霊』の全体を構成し、その内容にこめられた謎を推理する
埴谷雄高のなかで『死霊』は完結していた
埴谷雄高との三十年
著者等紹介
川西政明[カワニシマサアキ]
1941年、大阪市生まれ。中央大学卒。60年代後半から70年代はじめ、河出書房新社の編集者として「埴谷雄高作品集」「高橋和巳作品集」を担当。72年より文芸評論に専念。2006年「武田泰淳伝」(集英社)で伊藤整文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
solaris