また杏色の靴をはこう

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  • サイズ B6判/ページ数 237p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309017686
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

5月にはまた杏色の靴をはきたいと言った作家・城夏子。彼女は、もう何十年も前に、美しく、愉しく年齢を重ねるための秘訣を、誰よりもみずみずしい文章で私たちに教えてくれていた。今を愛し、今あること、今生きることのよろこびを、そして、森茉莉、宇野千代、中里恒子、網野菊…作家との交流の中で学んだ美しく生きることの秘訣を、摘みたての薔薇のように新鮮な文章で綴ったエッセイ。生涯を通じて薔薇を摘み続けた城夏子が贈る、“17歳のかけら”をとじこめたときめきの一冊。

目次

十七歳を呼び込む方法
第1章 私が選んだ愉しいホーム暮らし
第2章 愉しみいっぱいの人生にぞっこん
第3章 飲み、食べ、愉しく暮らす
第4章 おしゃれはデートのように
第5章 一粒一粒かたちのない宝物をちりばめて
エピローグ 三つの愉しいあとがき

著者等紹介

城夏子[ジョウナツコ]
1902~1995。和歌山県生まれ。17歳の頃より雑誌『女学世界』『令女界』『女学生』等への投稿を始める。『令女界』の編集助手をしながら少女小説を書き、1924年(大正13年)、初の少女小説集『薔薇の小径』(竹久夢二装幀:挿画)出版。1928年(昭和3年)、長谷川時雨主宰『女人芸術』の同人となり、『文学時代』の嘱託記者を経て、終戦直後、女流文学者会の会員となる。1969年(昭和44年)、67歳の時に、千葉県流山市にある花と緑に囲まれた有料老人ホームに入居、世間をアッと言わせる。優れた感性と繊細な筆で、“叙情文学”に新境地を開いた。また、生きて行くことの楽しさ、その方法をポジティブに颯爽と伝えるエッセイは、多くの読者の共感を呼んだ

早川茉莉[ハヤカワマリ]
出版社勤務を経てフリーのライター、編集者となる。雑誌『オリーブ』の元・熱狂的な読者。好きなものを特集する雑誌『サプライズ』を編集する傍ら、森茉莉、寅さん、“17歳”の匂いのするもの、カフェ通いに熱中する日々を送っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まみ

8
「そんな歳に見えないよね」「似合うからいいんじゃない」と言われても、年相応、という言葉が浮かんで素直に喜べなかった。年相応!城さんがお聞きになったら笑い飛ばすことでしょう。この、70歳を過ぎても乙女のこころを持ち続け、自由にのびのびとそして貪欲に自分の、自分だけの「たのしい」「好き」にあくがれ続ける城さんの文章を読んで、すっかり元気にたのしい気分になった。なんてすてきなひと!「その日その日を精いっぱいにすがすがしく生きることだ。自分が愉しいと思う生き方をすることだ」2011/09/06

Incisor

2
「夏を閉じ込めたたんぽぽのお酒のように、17歳のエキスがたっぷり詰まったときめきの小筺」という帯にひかれ手にしたときより、年を重ねた今、心にきらきらとより響く城夏子さんのエッセイ集だった。60代、70代、80代、どの年代でもその感性はみずみずしく豊かで、こんなにも変わらずにいられることがとにかく素敵だと思う。交友している作家仲間のそうそうたる名前にも感嘆しながら、先人たちが確かに生きていたこと、その時代を感じながら、時代を超えても色あせない感性をこれからも読み返して味わいたい。2023/05/09

rinakko

2
この、“ときめきの小筐”に詰め込まれているのは、今を愛してよりよく生きることへの伸びやかに尽きることのない希求。きっと読む人の年齢を問わず、誰にでもそれを語りかけてきてくれるでしょう。楽しく明るく、ときに悪戯っぽく。2008/07/30

ココマ

1
わざと強がって「毎日楽しい」「一人は気楽」と城さんが書いているわけではないので素直に読めた。孤独と書いて城夏子と読む、という所が心にしみる。老後、または人生ををどう生きるか、読む者に教えたり、問いかける本にも思えた。また、他の作家との交流についても鋭く書かれており、興味深かった。2013/03/20

necoko19

0
★★★2009/05/03

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