幸田文のマッチ箱

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  • サイズ B6判/ページ数 234p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309017228
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

内容説明

母の死、父・露伴から受けた厳しい躾、弟の死、継母との関わり…そこから浮かび上がる「渾身」の姿。作家・幸田文はどのように形成されていったのか。その「作品」と「場所」を綿密に探りつつ、幸田文世界の真髄にせまる極上の書き下ろし。

目次

幸田文のマッチ箱
母の死から
継母のいる風景
みそっかすの眼
露伴の躾
“おとうと”の色
結婚と性
“流れる”季節
語り口と文体
この世学問
斑鳩の渾身
“崩れ”の宇宙

著者等紹介

村松友視[ムラマツトモミ]
1940年、東京に生まれる。慶応大学文学部哲学科卒業。出版社勤務を経て、文筆活動に入る。1982年、『時代屋の女房』で第八七回直木賞、97年、『鎌倉のおばさん』で第二五回泉鏡花文学賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アイシャ

15
若き編集者だった時に幸田さんと親交のあった村松友視氏による、幸田文さんの旅。幸田さんの文章を引用しながら、彼女の作品だけでなく、生き方を考察している。「流れる」のファンである立場からも興味深い作品だった。幸田さんの生活者としての強さと美しさの根幹が少し理解できた。「おとうと」や「闘」を読み返そうと思ったし、幸田露伴についての作品も読んでみようと思った。幸田さんの作品には人の心を安心させる生きる強さがあると思う。2018/08/27

ひつじ

12
作者の幸田さんへの尊敬や思慕が読み取れてすらすら完読。幸田文の人生が分かり、すごく面白い生涯で魅力的な人だったんだと思います。そして幸田さんの作品が読みたくなりました。2016/01/23

amanon

4
幸田文という物書きがいかに特異な才能の持ち主であったかを再認識させられた。本書でも言及されている夥しいまでの犠牲音がおりなす独特な文体、瑞々しい感性と鋭い洞察力に基づいた精緻な観察…以前読んだ文章の断片を本書で再度目にすることで、当たり前だが「ああ、かなわないな…」と思わせられることしきり。また、三人兄弟の真ん中で、自らみそっかすと称する自己卑下の感情と、それでも父露伴の最後を看取ったという経緯とが不思議な対称を見せることに驚かされる。そして、作者が幸田から貰ったというマッチ箱のエピソードが素晴らしい。2019/02/15

chuji

3
久喜市立中央図書館の本。2005年7月初版。書き下ろし。村松さんが文さんに出会ったのは社会人2年目で、文さんはその時還暦を過ぎていた。ほのぼのでした。2018/03/17

慧の本箱

2
指のはらに僅かヒンヤリ感じる その感覚が解る村松友視氏だからこそ 今ここに幸田文の世界を鮮やかに目の前に並べて見せてくれることができるのだと思うのです2006/07/09

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