内容説明
チロリアンテープ、四つ葉のクローバー、ギンガムチェック、フィンガービスケット、万博、新幹線…“未来”があった時代の子どもたちが甦る待望の連作小説。
著者等紹介
長野まゆみ[ナガノマユミ]
東京生まれ。『少年アリス』で第25回文芸賞受賞
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感想・レビュー
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優希
82
子供の頃の思い出を描いた連作短編集なので、ノスタルジックな空気が見えました。今では当たり前のものが当たり前でない時代ならではの輝きがあります。エッセイなのか小説なのか曖昧なところがまた幻想的な雰囲気を漂わせていました。細やかな色彩を放つビードロが全編を貫いているような透明感を感じます。2017/03/11
Gin&Tonic
14
小説?長野さんの少女期の回顧録?判然としないまま読み進めましたが、微笑ましくて素敵でした。「カラーテレビ」が特別で、電話がどの家にもあるわけじゃなかった、そんな時代の雰囲気が自然に伝わってきます。少女の「ピーターパンのウェンディが嫌いで、長靴下のピッピが理想」というなんだかシビアですがすがしい価値観に好感。浦くんに関するエピソードと、セイちゃんに関するエピソードが好きです。いやー、美少年はいいですね!笑2015/03/01
凪織
10
事前情報一切なしで読んでいて、進めていくうちにエッセイかな?と思い、さらに読み進めていくうちに、あれ小説っぽい?となりながら読了。エッセイか小説か、あやふやなところが作品の雰囲気を包みこんでいて不思議な感覚。最初にある「小鳥の手帖」が可愛らしくて好き。本編に関係があるのかと思って読んでいたが、特にそういうわけではなかったようだ。「小鳥の手帖」も含め、細やかだけれど色々な硝子玉がきらきら光っているような作品だった。2015/02/19
kyoko
7
小学校時代~高校までの思い出を描いた短編連作集。読みながら自分が過ごした過去の思い出も鮮明に蘇って来ました!、パイナップル飴、フィンガーチョコ、ノースキャロライナ(キャンディ)の食べ方にはうなずきっぱなし^m^2015/06/30
紫陽花
7
一応小説ということらしいが、エッセイに近いようにも思う。まゆみさんもこんな子供時代を過ごしていたのかな〜と。「なんでもスクラップ帳」はいい!私も作りたい!お気に入りのイラストや言葉を眺めるのは楽しそう。チロリアンテープがどういうものかようやく知ったのだが、とても可愛くて女の子達が集めたがる気持ちもわかる。どの時代の女の子もかわいいものが好きなんですね。要くんとバンとセイちゃんの関係に、登場する女の子達と共にドキドキしながら読了(笑)2014/09/11