内容説明
夫婦同業という危うい年月をよく今日まで過してきたものだ―戦渦の青春時代、作家としての日々、夫婦の情景、突然の病魔。人生の機微をこまやかに描く味わい深いエッセイ45篇。
目次
1 私のルーツ(忘れ得ぬ光景―私の戦争体験;懐かしいお下げ髪 ほか)
2 書斎の窓(ふるさとのやきもの;佐渡今昔 ほか)
3 日々の感慨(賢犬、愚犬;自業自得 ほか)
4 折にふれて(正月迎え;行列 ほか)
著者等紹介
津村節子[ツムラセツコ]
1928年、福井県生まれ。学習院短期大学部卒業。64年「さい果て」で新潮同人雑誌賞、65年「玩具」で芥川賞、90年『流星雨』で女流文学賞、98年『智恵子飛ぶ』で芸術選奨文部大臣賞を受賞
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感想・レビュー
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バーベナ
3
随筆集。感情をあらげることなく、抑制のきいた文章はとても心地がよい。身の回りのことも、歴史や背景を綿密に調べた上で書かれている所に、丁寧な生き方をされてきたことがわかる。憧れの女性です。2010/12/13
なあちゃん
1
エッセイというより随筆集とあるのがぴったりの端正な文章。1999年から2002年までの文章が集められているが、少しも古く感じられないところがすばらしい。 あとがきにかかれた「夫婦同業の危うい年月を、よく今日まで過ごしてきたものだという想いがないでもない。」という気持ちがあらわれた、「似ない者夫婦」という題名である。2012/07/25
桐葉
0
何回も似たような話を他でも読んだことがあるが,静かな筆致が心を鎮めてくれる。2014/12/12