内容説明
戦国の疾風・武田軍団は信玄亡きあとに呆気なく滅んだのか?四百余年の間、暗愚な継承者とされてきた不肖の息子の実態は?信長が最も恐れた男・勝頼。
著者等紹介
江宮隆之[エミヤタカユキ]
1948年山梨県生まれ。『経清記』で第13回歴史文学賞受賞。『白磁の人』で’95年度課題図書および第8回中村星湖文学賞受賞
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感想・レビュー
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kiyoboo
31
武田信玄の側室「諏訪御寮人」を母に持つ勝頼は四男。幼い頃より父からの愛情を受けることなく、諏訪で過ごす。いずれは諏訪の棟梁として諏訪大社を継承する者であった。しかし、歴史のいたずらで武田家を嗣ぐことになる。若いし、まっすぐ過ぎる性格か、信玄が亡くなった後のたがが外れた武田家を率いることができない。決して臆病とか武術が弱い訳じゃない。読み進めるうちに息苦しくなっていく。「君は弱くない」と読みながら応援をしていくが最後は信頼していた身内にまで裏切られる。北条夫人と嫡男と別れずに死ねたことが救いだったと思う。2016/07/04
アンパッサン
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ツイッターで薦めてたので読んだ。勝頼のなやみ、齟齬って組織にいたら絶対どこにでもある。で、意外と気が付かないんだよ、これ。 小山田とか穴山にしたら「お前は誰だよ!?」だし、 山県とか内藤にしたら「この若者に言っても御屋形様のようにはいくまい」だろうし。勝頼の側近たちは勝頼しか見てない。気がついても言わない。時間と共に孤立して、気が付いた時には…。可哀想だけど、この人信玄が死んでから10年近くは武田を守ったのよね。 だから暗愚じゃない。奥方北条夫人が居ては真田の岩櫃ではなく、北条近くの岩殿へ行くわな。合掌。2016/03/16
ひびき
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これを読んで武田信玄にしろ勝頼にしろ、知っているようでよく分かってなかったんだなとしみじみ。花の名前と共に移り変わる季節とひとの心、その無常が信仰心と共に描かれていて、最後まで目が放せなかった。歴史にもしもはないと分かっているけど、考えずにはいられない。今年の大河をきっかけにぜひまた広く読んで欲しいなあと思った。2016/01/31
助福猫
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図借 20点2015/07/17
助福猫2
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図借 20点2015/07/17