内容説明
湖水地方が今も百年前と変わらぬ美しさを保っていられるのは、ピーターラビット絵本の作者、ポター女史のおかげだったのか!本当に豊かな人生とは?自己実現とは?社会貢献とは…?芥川賞作家夫妻は歩きつづけた。美しい写真と感動の紀行文学。
目次
ピーターラビット紀行(ウィンダミア湖は霧にぬれて;ワーズワースの気分で歩こう;幽霊城に、ようこそ!?;ピーターラビット出生の秘密をさぐれ;ビアトリクス・ポターは生きている)
ポターさんの実に天晴な人生
ポターの旅ナショナル・トラストの旅
著者等紹介
新井満[アライマン]
作家、作詞作曲家、写真家、長野冬季五輪のプロデューサーなど各方面で活躍。1946年新潟生まれ。上智大学卒業。1988年『尋ね人の時間』で芥川賞を受賞。自然環境問題をテーマにした小説や写真集など著書多数
新井紀子[アライノリコ]
随筆家。1947年東京生まれ。東京農工大学卒業後、新井満氏と結婚
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
300
新井満・紀子夫妻によるイギリス湖水地方の旅。ご夫妻によると、湖水地方は「世界で一番美しい」のだそうである。当然、異論のあるところだが(私はこの地方には行ったことはないが、それでも懐疑的)、二人の背景にはそれぞれワーズワースの詩とピーターラビットのお話と絵とがある。そもそも風景に対して"美"を意識するのは、それが詩人なり、画家によって発見されたからなのである。まさに「自然は芸術を模倣する」(ワイルド)のであるから。例えば19世紀以前の人たちはアルプスに"美"を感じなかっただろう。セガンティーニ等の画家たち⇒2023/06/07
ophiuchi
10
ピーターラビットというよりも、ビアトリクス・ポターの生涯と湖水地方を紹介した本だった。もしイギリスに行く機会があればぜひ湖水地方に行きたい。2019/02/02
がる
7
ピーターラビットの絵本を読んでいるので、合わせて借りてきてみました。奥様・紀子さんの文章の方が好きだなー。ポター本人のこと、ワーズ・ワースやナショナルトラストのことなども少しわかって勉強になりました。 ポターの人となりが本当に素敵。この本で紹介されている「ビアトリクス・ポター 描き、語り、田園をいつくしんだ人」も読んでみたくなりました。2012/08/18
仮名
4
ピーターラビットの故郷、イギリスの湖水地方を巡る旅行文。写真が多く、風景がとにかく美しい。この景観を守るためのナショナル・トラスト運動を、ピーターラビットの著者がやっていたとは知らなかった。そして夫婦での仲睦まじい旅行が最高にリア充、こんな老夫婦になりたい。2011/03/03
青
2
ピーターラビットの親ヘレン・ビクトリア・ポターの愛したイギリス湖水地方紀行文。新井満、紀子夫婦それぞれの視点から書かれ、写真も多い。ポター女史に関しての記述が中心だが、彼女が残そうとした美しい自然風景と共に楽しめる。2013/11/04