アナイス・ニンの少女時代

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  • サイズ B6判/ページ数 223p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309014654
  • NDC分類 930.28
  • Cコード C0095

内容説明

アナイス・ニンの膨大に残された無削除版『日記』を、限りない共感とともに、徹底的に読解することでかたちづくられた希有の評伝。少女時代の“謎”に迫る問題作「あるモデルの話」の新訳を収録。

目次

アナイス・ニンとわたし―なぜ、この本を書くにいたったか
アナイス・ニンの少女時代(日記はこのようにしてはじまった;心細い新生活;父母思い;下宿屋開業;ダンス;ヒュー登場)
あるモデルの話(アナイス・ニン、矢川澄子訳)

著者等紹介

矢川澄子[ヤガワスミコ]
東京生まれ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あ げ こ

15
手繰り寄せる試み。触れようとする試み。奇跡めいたものとしての認識。比類ない存在としての認識。強い共感と、傾倒と、憧憬を感じる。その距離の近さ。同化するかのような、その探り方の親密さ。自己との境界線さえ危ういように感じる。まるで自らを語るかのような。矢川澄子の文章。悲しいぐらいに、矢川澄子のものである文章。ここで見た姿も、ほんの一部分に過ぎない。重要であり、根幹と言うべき姿ではあるのだろうけれども。むしろその膨大さを思い知る。アナイス・ニンと言う存在の、掴み難く、推し量り難く、どうしても溢れ出てしまう事…2020/09/05

安南

14
なぜ、作者がアナイスに興味を持ったのかが結局わからない。ヒューゴとの夫婦の絆の強さに、お気に入りのプラトンの球体人間説を見たからなのか。私自身のアナイス観は「少女時代のトラウマを乗り越え脱皮した、稀に見るスケールの大きい成熟した女性」と捉えているので、作者のように少女時代にこだわりを持たれて論じられるのはどうにも奇妙な気がして。自分と同一化できる部分だけをすくい上げているように感じられる。そして、これが自らを殺めた作家の遺作というのも…。不可解です…。2013/04/28

5
「ねがわくはほんものの日記がつづけられますように」。アナイスにとって、日記は行動記録ではなく「告白録、瞑想録」だった。2020/01/26

micamidica

5
森茉莉に寄せて書かれた作者の文章に、アナイス・ニンのことが記載されていて興味を持った。この本では、アナイスの少女時代の日記を中心としてアナイス像を矢川澄子なりに組み立てているのかなと。期待していたよりぼやっとした印象しか残らなかったけど、アナイスの瑞々しい感性というものが日記からは感じられた。個人的な記憶として、中学生のとき、友人が母親の少女時代の日記を持ってきてそれをまわし読みしていたことが思い出される。ひとの日記をこっそり読んでいる罪悪感とまぜこぜになった、どきどきわくわく感が蘇ってきて驚いた。2017/02/17

rinakko

2
たった一人の最愛の夫と緊密な絆を結んでいたにも関わらず、別の男によって性の喜びを教えられ、別の男たちと付き合い続けた女性。そして、“私が味わっている自由は、彼からの贈り物”と言い切れる夫婦の信頼関係…! 普通の人には到達することはおろか、理解することさえ難しい域であることも事実だけれど、相手のすべてを受け入れるということを突き詰めていくと、そういうことになるのかなぁ…。2008/03/10

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