内容説明
出自没却。一切語らず。酒に溺れ、襤褸を纏い、信州・伊那谷を流浪。野垂死にするも、なお芥川龍之介を震撼させた男、その名は井上井月、俳人なり!乞食放浪の俳人井上井月の全貌。
目次
序章 大正七年夏 田端・芥川龍之介宅
第1章 五月闇
第2章 炎天
中の章 大正九年晩秋 田端・芥川龍之介宅
第3章 抜け星
第4章 翁の日
第5章 花筵
第6章 落栗
終章 大正十年秋 田端・芥川龍之介宅
著者等紹介
江宮隆之[エミヤタカユキ]
1948年山梨県生まれ。『経清記』で第13回歴史文学賞受賞。『白磁の人』で’95年度課題図書および第8回中村星湖文学賞受賞
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感想・レビュー
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bouhito
7
井月という名前は、四角い月、つまり「ありもしないもの」という意味だったらしい。その井月の自署が年をへるごとに、井の口の部分が丸みを帯びていったというのは面白い。「ありもしないもの」が「実際にあるもの」へと変わっていく変化だろうか。本書では、こじき井月が描かれている。お祝いをして回るほかいびととしての姿はほとんど描かれていない。ほかいびと井月は芸人でありサービスマンであるけれど、こじき井月はアーティストのような存在だった。やはり謎が多い人だ。2015/07/25
葉隠
2
つげ義春の(無能の人)で知り興味を持った漂泊俳人。伊那谷の地を乞食として徘徊しながら酒と俳句三昧の生涯を送った。尾崎放哉、山頭火からジョニーサンダースまで...破滅型駄目ダメ人間に何故こうまで魅かれるのだろう?2019/09/12
アンコ椿
0
あこがれの人、千両、千両!2013/05/13
Kotaro
0
こんな人が居たんだ、、生き様最高!!