内容説明
女男女、男女男は、川の字の形でうわなり、なぶり、ねたみあう。多摩川―ラプラタ川―リマック川。文芸賞作家がおくるみずみずしい奇蹟の氾濫。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きさき
14
★★★☆☆:Queerな登場人物を扱ってるのが良かった。めっちゃめっちゃ村上龍を感じる文体とテーマ。でも龍には劣るかなー、と個人的な感想。「嫐嬲」は良かったけど、あとの二つの短編が非常に読みにくかった。2018/12/20
ミツ
5
『嫐嬲』『裏切り日記』『溶けた月のためのミロンガ』の3編を収録。男でもなく女でもなく、異性愛者でもなく、かといって同性愛者でもない、性のカテゴリ簡単に回収されることのない男女(?)3人の奇妙で複雑だがどこか爽快な共同生活を描く。メディオ、プティ、グランデとだけ互いを呼び合う3人はシバ公園ではしゃぎ、トキョ・タワーへ登り、銀行強“与”を企てる。ラテンの魔術的な香り漂う言葉と日本の多摩川の俗っぽさが交錯したその情景は何とも不思議だが、一方でまるで書き割りのようで、つくりものらしさが際立ってしまっている。2011/06/18
ゆらさわ
0
溶けた月のためのミロンガの目とナイフの表現がちょっと…2014/12/10
stan
0
表題作も魅力的だが、『裏切り日記』が最も印象に残った。酒鬼薔薇少年事件、バタフライナイフによる中学教師殺害事件、ペルーの日本大使公邸人質事件という3つの重大事件を題材として、アキミズ・ユキノリ=幸徳秋水、神原清人=酒鬼薔薇聖斗を登場させ、少年事件と政治的テロを同時に語ろうと試みている。作品の短さのせいか、やや詰め込み過ぎでわかりにくく、その試みは必ずしも大成功というわけではないが、著者の視線の高さには敬服する。2013/01/14
zaki
0
独特の色合いが、くせになります2011/06/17