内容説明
平穏な結婚生活を送る香子に、突如知らされた過去の恋人の行方。一人のホームレスが紡ぐ男と女の人間模様を、12か月にわたって描く感動の長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こだまの本棚
18
最終章でテーマは「孤独」と言われていた。短編が連なって少しずつ絡む作品。皆どこか抱えるものがあって、大人ほど彼らに共感できるんじゃないかな。彼らは過去に思いを馳せてしまう人たち。それでもゆらゆら過ごしてきて、ふとした時に今に満足しきれない様な、心ここに在らずみたいな。現状をふらっと手放してしまいそうな雰囲気があるが、そこは現実的でそこまではしない。恐らく現状に満足しておらず、どこか夢見がちな感じ。大体が恋愛の話。所体持ちの登場人物が多くて、でも家族の話ではない、どこか冷めたお話。でもこういう人多そうだな。2024/01/28
カンパネルラ
0
12ヶ月にテーマをわけ、主人公がつながりあいながら筋が進む構成力のうまさには脱帽。話も恋愛が中心だが日常の枠から特別にはみださないで、共感が得られ易い。ただ視点を含めて女性の小説だろう。2005/03/23
クロキコウイチ
0
人生とは孤独とどう向き合うかということなんだろうか。そんなことを考えさせられる連作短編集2009/08/05