内容説明
15歳で寺山修司に認められ、「天井桟敷」に入団した弧独な少女サキ。九条映子、広瀬のお父さん、蘭妖子、田中未知、稲葉憲仁、シーザー、森崎偏陸など、劇団の中心メンバーに可愛がられ、少女は次第に演技に目覚め、女優として開花しはじめるが…。劇団のスター、シーザーに憧れた少女は、みのらぬ初恋に悩み、若さを噛みしめる日々が続く。そんなある夜、バイト先の新宿のバーに現われた中年男との運命的な出会い。降りしきるほどの愛情に包まれ、その男・安部譲二に連れられて劇団を去って行く。これは、真撃で早熟な一人の少女の、魂と肉体の叫びと成長を描いた、70年代初頭の「天井桟敷」の物語である。
目次
第1部 1971年・サキ15歳(入団試験;初めての総会;ワークショップ;夕暮れ;1971年秋 ほか)
第2部 1972年・サキ16歳(元旦の天井桟敷館;乱闘;渋谷公会堂「邪宗門」;去って行く人々;劇団員のアルバイト ほか)
第3部 1973年・サキ17歳(17歳;倫敦;招かれざる客;市街劇;予期せぬ出来事 ほか)