内容説明
鈍い骨のずれる音がした。やった、と思った。もう一度力をこめたら頸はごとりと切断された。…ここに生命が極まった。どうにもやさしい眩暈がした。ゆうべはたしかに興奮した。人を殺したのははじめてだったのだ。コンクリートのあの部屋で僕が切断したのは誰?エヴァ世代の作家が描くクールな殺人、2年ぶりの長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小夜千鳥
1
困ってしまうくらいに雰囲気のみのお話。シーンをひとつ切り出せばとても幻想的なのだけれど、連続したストーリーとして読むにはおそらく心理学的な解釈が必要だと思うし、わりと容易に好みの解釈をできると思う。良くも悪くも、好みの一場面をその場面の雰囲気を壊さないように表現した言葉の集まり、という印象。2012/07/29
かる
1
いまだに篠原といったらこれだと勝手に思っている。いつ読んでもやっぱりわかんないんだけど、いつ読んでもミゾグチの存在感は絶大。とにかく帯が秀逸。本文抜粋の『どうにもやさしい目眩がした』の文章に惚れてしまった。内容は…いまだに理解はできていないけれど…。
ast
0
再読。2017/05/23
浅葉
0
図書館
4545
0
うーん、サイコスリラーなんでしょうか、あまり読まないジャンルだ。でも、今までと同じくあまり血生臭くない。 まあ、不思議な世界を楽しみました。2006/12/10