内容説明
神は存在するか?世紀末を抒情する女歌!存在の根源を問いつづける憂愁の歌群をもって颯爽と歌壇に登場した若き女性歌人の第三歌集。
目次
羊歯の部屋より
約束
桜桃
パピルス
湖心
出航
夢の犬
たれをかも
われも赤毛に
シェパード
マスク
西王母
百千鳥
ゆふがほ
みどりの脚
客人〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
92
私の苦手な文語や旧仮名遣いが多用されており、読み進めるのに苦労した。おまけに難解な歌が多く、一読して意味が掴めないこともあった。それでも素晴らしい歌集だと思う。意外なものを組み合わせて、はっとする、シュールな美の世界を作り上げている。短い言葉で、平凡な日常生活に眩暈のするような亀裂を走らせることに成功しているのだ。好きな歌を一つご紹介。「めつむりて古書店に憩ふ青年よ月光を母と呼びしことあらむ」2014/11/17
さゆ
29
短歌なんて俵万智くらいしか読んだことはなかったけれど、読友さんに教えられて水原紫苑のこの本を読んでみた。短歌なんて私には難しすぎると思っていたけれど、こんなに何も知らない私にも、くっきりと伝わる歌がある。 短歌なんて、あんなに少ない文字数では、とうてい気持ちなんて伝わらないって、思っていたのに。すごいなあ。短歌って。2013/06/27