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内容説明
東京下町にいまも流れる自由の歌声。はじまりは、東大司書からちんどん屋に転身した変り種との出会いだった…出世、権力、お金とは無縁に生きる老若男女の素顔と哀歓を、共感こめて描く異色のノンフィクション。
目次
『柱立て』をやりたい
浮かれ町
ちんどん屋には「芸」はないけど「術」がある
十四歳で「菊乃家」を起こす
「東西屋」と「広目屋」がちんどん屋のルーツ
エイサーの使い手、鳴海宏貴参加
ペラペラのクラリネツトの音がいい
東大司書からちんどん屋へ
自分を神様だと思いなさい
鳴海、中年のおばちゃんにモテモテ〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つちのこ
2
私の原風景は「ちんどん屋さんが来ているよ」と母に手を引かれ、商店街とは名ばかりのバラックの寄せ集まりのような市場へ見に行ったところから始まる。読み終わった時、もう一度ちんどん屋に会ってみたいと思わずにはいられなかった。ちんどん屋には世の差別を受けながらも、細々と生きてきた歴史があり、その暗い生い立ちに反して、子供たちに夢を与えてくれた輝きがあった。幼い日の記憶には、ちんどん屋に対する羨望と、心が浮き浮きするような鳴物のにぎやかな音が鮮やかに残っている。あぁ、もう一度ちんどん屋に会いたい。(2001.3記)2001/03/17