内容説明
今夜、ぼくだけの兄になって呉れますか。十七も歳の離れた兄・朋彦と二人で暮らす史生。転校先で、教師である兄を慕う二人の風変りな少年に出会い、心を通わせるのだが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
41
再読。現実の少年達を描くというより、「トーマの心臓」だとか少女漫画の人物のような繊細な少年達の描写。2008/05/28
藤月はな(灯れ松明の火)
32
家族なのに離れていたために上手く、距離が掴めない朋彦と史生。病を抱えるために距離ができそうになっていた密と椋の友情。気心が知れた仲、或いは血縁という関係性にある一種の濃密さに触れた時、寂しさを覚えるのは自分がその前では第三者であるしかないと突き付けられるから。別れは伝えたいことを伝えられないうちに突然、やってくる。そして心構えができていても別れはやはり、哀しみと言う傷を残す。それでも過ごした時間や思い出、触れた温もりは心に永劫、記憶されることを信じたいと思わずにはいられません。2013/03/05
耳クソ
15
対象年齢が十二歳くらい低めだったかもしれないとはっきりわかる優れた小説。2023/01/22
あき
10
★★★☆ 少年時代の、友情と恋情の曖昧な境界、友人や家族に対する不安定に揺れる気持ち。自分にも覚えがあるものだった2017/07/11
ゆゆゆ
10
ラストがとても好きでそこばっかり読み返しちゃいます。2011/04/30